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□馬鹿だね
あの草食動物のことが気になり出したきっかけは覚えていない。
気づいたら目で追っていて、廊下や遅刻検査で会った時は嬉しくて、時々向けられる笑顔が可愛くて。
あの子を想うようになってから、僕の調子は狂ってばかりだ。







「沢田綱吉、また遅刻だよ」
「す…すいません…」
「もう少し早く起きれないの」


(あーあ。もう少し優しい言い方があったんじゃないの、僕)
言ってから後悔した。


「えと、頑張ったんですけどリボーンがその、いろいろと…」
「…赤ん坊ね」


よくやった、と心の中で赤ん坊に感謝した。
そのおかげでこうして沢田と話が出来ている。


「まぁ今回は見逃してあげる。ほら、早く行きなよ」
「あ、ありがとうございますっ」




そう言って沢田はへにゃっと笑った。

その顔が可愛くて、無性に抱きしめたくなって。

僕は本能のままに草食動物を抱きすくめた。




「…っな!ひひひひひひ雲雀さん…!?」
「うん、行ってよし」


小さく呟いて沢田から離れる。
沢田はタコみたいに顔が真っ赤で、目の焦点が合っていない。


(ワォ、いい顔)


「な、何やってんですか!皆見てるのに…」
「ぐだぐだ言ってると授業に遅れるよ」
「あっ、そうだった…!え、えっと…じゃあ俺行きますね!」


変な走り方で沢田が去っていく。
(馬鹿だね、他の奴なら通すわけないのに)


君だから特別なんだよ。

本人は全然気づいていないけれど。






「そのうち美味しく食べてあげるよ」


草壁が隣で口を開けて固まっていたから、トンファーで目を覚まさせてあげた。


END


ある日の朝の雲雀さんの心境です(笑)
雲雀さんの一途で純粋な片思いって好きです^^

ありがとうございました!

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あきゅろす。
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