正直な嘘吐き 俺は大丈夫だって! ガイを置いて行くはず無いだろ? ……どうしたんだよ、そんな顔して。 俺の事、信じてくれないのか? ガイ、俺は…… ♪─♪─♪─♪─♪ 俺はもう、長くは生きられない。 皆には言ってない。知らせるつもりも無いし、知られたくもなかった。 死ぬんだって思い知らされるから。 「ルーク、本当に何も無いんだな?」 「大丈夫だって言っただろっ。俺は案外、丈夫に出来てるみたいだし」 「……そうか」 そう言ったガイの表情は悲しそうに見えた。 ───嘘吐き。 誰かにそう言われた気がした。 「まあ、良いけど……お前はあの時随分と無理をしただろ?いくら頑丈でもちゃんと休んどけよ?」 「わーってるよ。……ありがとな、ガイ。俺、ガイに出会えて良かった……」 つい、そんな言葉が口から出ちまった。でも、明日を生きれるかわからない俺は、生きているうちに伝えたかった。 ───沢山の感謝の気持ちを。 「……はは、何だよ。これが“最後”みたいな言い方をしてさ。これからも生きるんだろ?──…一緒に」 ぐいっと腕を引っ張られたと思ったら、次の瞬間には抱きしめられていた。 暖かなガイの腕の中。この温もりを手放したくない。ガイとずっと一緒にいたい……!でも、運命ってやつは残酷で。俺には時間がない。 それでも……。 「うん、一緒に生きるよ。これから先もずっと……」 ガイの胸に顔を埋める。今、絶対に泣きそうな顔してっかも。 ガイの表情は見えない。 お願い、俺の精一杯の嘘を見抜かないで───。 ♪─♪─♪─♪─♪ ルーク…… お前は昔から嘘吐くの下手だよな。せめて、もっと分かりにくい嘘にしてくれ。 お前が言ってくれないのには、何か理由があるんだろう? 俺が気付かないフリをして、ルークがルークのままでいられるのなら。 俺はお前の嘘に踊らされておく。 でも、俺は諦めないぜ? お前が助かる方法も探せばあるかもしれない。 俺はまだ希望を捨てない。 ♪─♪─♪─♪─♪ 見抜かないでと思っていても 見抜かれている嘘 そう、あなたは 正直な嘘吐き fin. ♪ご挨拶♪ 初めましてな方や、そうでない方もこんにちは。蒼朱 焔です。 今回はこのような素敵企画様……【聖焔祭】参加させていただきました。 CPは勿論、ガイルクで(笑) 他にも素敵なお題があって迷ったのですが【正直な嘘吐き】というお題を担当させていただきました。 私の中のルークは嘘吐きになりきれない……嘘が下手な子なんです(Σ) ラストに初めて小説で文字に関するタグを使いました。こういうの憧れていたので……(^-^)v 他の皆様の作品も、心から楽しみにしてます。 蒼朱 焔 拝 2008*12*12 [*前へ][次へ#] |