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Silver Chain




「銀時っ!花音が生きていたとは、本当かっ?」



まぁ、ヅラの慌てようで、用件は解ってたがな。



「なんだぁ、高杉に会ったのかぁ?」



「そんな事を聞いているのではないっ!花音は「あぁ。生きてたみてぇだなあ。」



俺は、あえて気のない返事をした。



「会ったのかっ!?」


「いや…他に野暮用があったもんでなぁ…」



「おっ、お前っ!花音より野暮用を取っただと?」



俺だって、花音に会いたかったさ。


この五年、忘れたことなんか、ねぇんだからよ。


けどよ、目の前で沈みかけるヤツを、ほって置けねぇんだからよ…



「それが俺なんだから、しょーがねぇじゃない。」



「全く、お主は…
で、花音の居場所が真選組と聞いたのだが…」


「らしいなぁ。」


俺は、相変わらず、気のない返事をした。


「銀時っ!お主は、花音がすぐ側に居るとわかっておるのに、何故動こうとしないっ!」



「一度、門前払い喰らってんだよ。そう、何回も行けねぇじゃねぇか。
俺達と知り合いだってゆーのも、花音にとっちゃあ、知られたくねぇ事かもしれねぇじゃねえか。
なんせ、真選組に居てんだぜ?」



「…それは、確かに…」


ヅラの勢いが治まった。


俺はともかく、ヅラは確実に知られちゃいけねぇ間柄だからな。



「とりあえず、事の真相を確認したかっただけだ。邪魔したな。」


そう言って、ヅラは出て行った。



そういや、今日は、エリザベスが居ねぇな…


まっ、いいか。




俺は、ヅラに言いながらも、自分自身に言い聞かせていた。



会いたくてしょうがないのに、


花音の今の立場。



そして、何より、俺の事を覚えてくれているのだろうか…


今の俺を受け入れてくれるんだろうか…



あの頃のように、笑ってくれるんだろうか…



俺は、花音に拒否されるのが怖くて、


会いに行けないんだ…





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