Silver Chain 10 「…やっぱり、里を抜けたんじゃないのか? 例えば…後を追って…」 サスケは、どこまで知っているんだ? 「後を追うって、花音とイタチは、そんなに、仲良しだったの?」 俺は、カマをかけてみた。 「夜に、こっそり会っていたのを、知っている。それに…見舞いに来た時、俺が眠っていると思ったらしく、泣きながら、何回も謝っていた。止められなくてごめんねって…。 朧げだが、あの日…あいつは、イタチに向かって、こう言った『あなたも、あたしを独りにするの?』って…」 あなたもか… 「その問いにイタチは、こう言った…」 サスケは、少し間を開けて、俺を見据えて言った 「必ず、迎えに来ると…」 正直、俺は、驚いた。 サスケの方が、二人の事をよく知っている。 …イヤ 俺が、見ようとしなかったからか? 「それで、後を追ったと思ったの?」 「あぁ。でも、あの頃は、イタチに連れ去られたと思っていた。 姿を見せなくなるまで、よく面倒をみてもらっていたから…… 自分から追い掛けるとは、思ってはいなかった。俺の…理解者だと思っていたからな…」 そう言って、サスケは、冷めたお茶を飲んだ。 サスケが、ここまで話すとは、思ってもいなかった。 余程、イタチの情報が知りたいのか、それとも… 「俺は、イタチは関係していないと思っている。あの任務の時、偶然が重なって出来た空白の時間だ。あそこまで、計画的に事が運ぶなんて、有り得ない。 現に、火影の命で、一流の忍達が調査した結果、何も出てこなかった。」 「じゃあ、何で姿を消したんだよっ!?」 珍しく、サスケが声を荒げた。 俺も、勢いで、言い返しそうになったが、 一息置いて、冷静さを保った。 「俺が、知りたいさ…」 「もう、捜さないのか?」 「俺は、今でも捜しているよ。 でも、何の手掛かりも掴めないままだ…」 「…俺も、一緒に…」 言いかけて、サスケは口を閉ざした。 「サスケは、何でそこまで、執着するんだ?」 「イタチの情報を知りたい。何故、あんな事になったのか… あの頃は、聞いてはいけないような気がして、聞けなかった。 同情で、面倒をみてくれているようじゃなかったからな… それに… 会って、礼が言いたい。」 きっと、サスケの本心だろう。 無口で、気持ちを表に出さないサスケが、ここまで話すという事は、 本気なんだろう。 「サスケの気持ちは、解ったカラ。今度、花音が消えた場所に案内するよ。 それと、花音の事は、上層部だけが知っている秘密事項だ。 行動がバレないように、注意して。」 サスケは、ようやく、納得した表情を見せて、帰って行った。 まさか、こんな展開になるとはね… まっ、心強い仲間が出来た事だし。 早く顔を見せてヨ… 花音――― [*前へ] [戻る] |