Silver Chain
9
俺は、家で愛読所を開けていた。
しかし、ナルト達との会話が、頭から離れず、
本の内容は、さっぱり頭に入ってこない。
そんな時、見知った気配を感じた。
まっ、来る様な気はしてたけどね。
――トントン
ドアがノックされた。
「来るんじゃないかと、思っていたよ。
まっ、入れば。」
「…あぁ」
サスケが少し戸惑いながら、部屋に入って来た。
「お茶でも入れましょうかねっ。まっ、適当に座って。」
サスケは、言われた通り、テーブルの側に腰を下ろした。
「花音の事、聞きたいんデショ?」
お茶をテーブルに起きながら、俺は尋ねた。
「あぁ…」
サスケは、少し驚いて、短い返事をした。
「サスケだけ、納得できないって顔してたからね。…で、何が聞きたいの?」
サスケは、湯飲みを手に包み込んだまま、黙ったままだった。
何から、聞けばいいのか、わからないといった様子だ。
「…あいつ、長期任務なんて嘘だろ?」
サスケが、顔を上げて、俺の目を見た。
「やっぱり、サスケには通用しなかったのね。」
俺は、溜息混じりに、お茶を飲んだ。
「カカシの妹ってだけで、名前が知れ渡るだろうし、今まで、聞いた事がなかったっていうのが、おかしい。それに…」
「それに?」
「兄貴と…うちはイタチと関係あるんじゃないのか?」
はぁ…参ったねぇ。
そこまで読んでたか…
「サスケ。今から話す事は、里の上の者しか知らない。…意味が、わかるよな?」
俺は、いつもの飄々とした態度から鋭い眼差しに変わった。
「あぁ…」
サスケの目付きも変わった。
「花音は、任務の帰りに、姿を消した。」
「抜け忍になったのかっ!?」
「…イヤ。わからない。…でも、俺は違うと信じている。」
俺は、花音が消えてしまった、あの日の事を、サスケに話し始めた。
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