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Silver Chain




ふぅ〜っ…――


ようやく、落ち着いた。


兄貴が去った後、張り詰めていた気持ちが、
一気に解き放たれて、


木の根元に座り込んだ。


幹に体を預け、今日の出来事を、思い出していた。


…なんだか、濃い一日だったなぁ…


あたしが、こんなに
感情剥き出しに


なりふり構わず行動するなんて


いつ以来?


兄貴と口を利いたのは

いつ以来?


あんなにも、取り乱した兄貴を見たのは

いつ以来?


兄貴の、笑顔を見たのは

いつ以来?


…ふふっ


兄貴だけじゃないや。


あたしも、変だ……


見上げると


――綺麗な満月


大きくて

銀色に輝いていて

手を伸ばせば

触れられそうなのに

届かない



……まるで


兄貴のようだね…――


あたしは、兄貴に触れようと

手を伸ばした



その時



月が更に輝きを増し


伸ばした手が


吸い込まれるような感覚に


陥った…――





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あきゅろす。
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