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A町中心のぼくのパパ (短編一話完結)
運動会

今日は幼稚園の運動会です。


今日のために、一生懸命練習しました。


お父さんに褒めてもらえるようにがんばります。









「…………元気よく、怪我をしないようにみんなで頑張りましょう。」


園長先生のあいさつが終わって、いよいよ運動会が始まりました。まずうさぎ組のかけっこからはじまります。次にきりん組です。



うさぎ組が終わりもうすぐきりん組のばんです。ゆうたはずっと、ドキドキしっぱなしでした。


パパは町内会のおじちゃんやおばちゃん、そして、町でよく見かける恐いお兄ちゃん達、沢山の人を連れて応援に来てくれました。


「ゆうた〜〜!」

「ゆうちゃん!がんばってぇ!!」

「ゆうた!!気張るんだぞ」

「ゆうた君がんばれ〜〜!」


あまりのゆうたコールにゆうたは、注目の的である。


(あぅ〜、はずかしいよぉ……)


「きりん組入場」


アナウンスの声とともに、子供達に大人気のカクカクレンジャーの音楽が流れる。


音楽と共に子供達はおおはしゃぎ、ゆうたもカクカクレンジャーが好きなので、みんなとキャッキャ、キャッキャと騒ぎながら歩いていった。


しかし、いざ始まると、また心臓がドキドキして止まらなくなった。


とうとう、次になった。


「よーい…………パンッ!」


みんなが一気に走り出す。しかし、母にすべて似てしまったゆうたは父の様に運動神経がなかったのだ。

いくら走っても差が広がり、ついに勢いづいてこけてしまった。


ズサササササ―


足が熱くてヒリヒリする。でもそれ以上に大好きなパパの前でみっとめない姿を見せたのがくやしかった。


「うぇっ………ふぇっ……ひっく…」



「ゆうたがんばれーーー!!!」


いきなりのパパの声にビクッとなったが、ゴールのとこにパパが両手を広げて立っていた。


「パパー」


痛みとか悔しさとか何もかもなくなって、ゴールも気にならなくて、ただただ、パパのとこまで夢中で走った。


「パパぁ」


むぎゅう


パパが抱っこしてくれた。


「優太よく頑張った。偉いぞ!今度はパパが頑張る番だ。優太に一番をプレゼントするからな。」


それからのパパはすごかったです。


まずはそれぞれの組のお父さんとお母さんでの玉入れは、パパの百発百中の腕前で一番でした。


親子レクレーションの親子でお馬さん競争は、僕をおんぶしながらすごい速さで一番でした。



最後は親子リレーです。でもぼくは足が遅いので一番はむりです。


「パパぁ……」

「どうした優太」


「あのね、ぼく、足遅いの、一番無理なの………」


それを聞いたパパは真剣な顔でいった。


「優太、諦めてはダメだ。絶対に何があっても諦めちゃいけない」









よーい……パンッ



親子リレーが始まりました。ぼくは第3コースです。そして かける君も第3コースでした。


かける君は足がとっても速いのです。


よーい……パンッ


ゆうたは一生懸命走りました。でも、みんなはやいのです。そして、また勢いずいて転んでしまいました。

さっき擦りむいたところがもっといたくなりました。


でも、前にはパパがいます。あきらめない。


いたいのを我慢してパパにバトンを渡す。


渡した瞬間、嵐の様にすごいスピードでどんどん追い上げていく。


あと一人というところでかける君のパパに並びました。
かける君のパパはぼくのパパよりも大きくてがっちりしてました。


最後にパパは更に加速しました。


パンッ


「やったぁ!!」

「ヒロ坊!!」


「ヒロさんすげえっす!」


パパが一番になったのです。


そしてぼくのとこに歩いてきました。


「偉いぞ、最後まで諦めなかったな」


抱っこしながらよしよししてくれました。


パパはとってもカッコイイです。


いつもパパはぼくにいろいろ教えてくれます。ぼくはパパが大好きです。






運動会が終わって帰るときに、かける君がきました。


「ゆうたのお父さん!!次は負けないから!」


パパに幼稚園生のライバルができました。すごいです。


ぼくはパパが大好きです。



 

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