A町中心のぼくのパパ (短編一話完結) 駄菓子屋さん パパは、商店街のすみっこにある駄菓子屋を営んでいます。 あとは、なんでも屋をしています。 「ゆうた、帰るぞ」 あっ、パパが迎えに来ました。 「ゆうたくんバイバイ」 「えりこ先生さようなら」 パパは、僕をババチャリのカゴに入れます。ぼくの特等席です。 「今日も幼稚園楽しかったか?」 「うん!!でもね、かける君とかえで君がけんかしたの……いきなりでね、かなちゃんに聞いたら僕のせいだって………」 「そっか」 パパはぐしぐしと僕の髪をかきまぜて言いました。 「じゃあ、明日こういってみろ、けんかなんてピタッてやめるぞ」 そういって、僕に魔法の言葉を教えてくれました。明日が楽しみです。 キキッー 家につきました。 「今日は、つるつるそうめんだそ」 「わーい!」 おててを洗って食卓につきます。 「「いただきます!」」 お父さんはいつもがつがつたべるので、僕もがつがつとお父さんのまねをして食べます。でも、うまくすくえません。 「ゆうたパパの膝にすわれ」 「???」 ちょこん 「ゆうた、あーん!!」 ちゅるん 「おいしー」 パパに食べさせて貰いました。おなかいっぱいです。 「ゆうた、店番いくぞ」 「うん」 僕はいつもパパと駄菓子を売ります。パパは勝手に店からアイスをとって一緒に食べます。勝手にとっていいの?ときいたら、パパの店だからいいそうです。 3時になりました。3時は人がいっぱい来るのです。なぜなら小学校が終わる時間だからです。 「ヒロー!アイスー!」 続々と人が集まります。 「おう、来たなガキ共」 「あー!ヒロ店のアイス食べてる!いけないんだ!」 「いいんだよ、俺の店だ」 お父さんはいつも、ニヤニヤと意地の悪い顔で子供達とお話します。 「ゆうたも昨日ぶり」 もじもじしながら、話し掛けられました。 少し顔が赤いのはいつものことなので気にしません。 どんどん賑わう駄菓子屋さん。 僕もお父さんみたいな駄菓子屋さんになりたいです。 「今日もゆうたのお陰で客がたくさん来たぞ。」 「?? 僕、何もしてないよ??」 何で褒められたのかいつも分からないですが、僕の頭を撫でてくれるのでうれしいです。 [*前へ][次へ#] |