黒猫は月を見る
思わぬ出会い
――バンッ
「うわぁっ!?」
角を曲がる時、目の前に気をくれずに必死に走っていた俺は気づかなかった。
人が歩いてきてることに………
ぶつかった衝撃の後に俺は地面に尻をついた。
「痛っ…!!」
「えっ大丈夫ですか!?」
俺の不注意なのに、心配してくれるとは…謝らねばと顔を上げると
(なんで、お前がいんの!?)
なんと、ぶつかった相手は、nightbeast(略してNB)というNO.1のチームで副リーダーの竜という男だ。
容姿は紫の髪と瞳で女のような見た目だ。か弱く見えるけどコイツは風貌にそぐわない腹黒男。
思わぬ顔にそれは間抜けな顔していただろう。
「あの………」
不審な目を向けてるじゃねーか、
いけねー、俺が黒猫だとはバレていないはず、黒猫というのは中学時代に夜の世界で暴れまわっていた俺についた通り名、有名になってくると勝手についてくるもんなんだ。
てか、バレねー内に竜から離れないと、顔こそ優しいが俺には分かる竜の苛々が、
「大丈夫だ、あんたは平気か?急いでたんだ悪いな、今度から気いつけるから」
尻についた砂を払いながら、起き上がった俺は詫びの言葉を伝え竜の横を抜ける。
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