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小さな頃から(↑で読めない方用)
19



「日向ちゃん、休んでる間のノート後でコピーさせて?」


「うん、いいよ……だけど……。」


これ以上考えたら普通ではいられなくなりそうで、思考を切る為に日向へと言葉を掛けると、了と言いかけた彼が少しだけ口ごもった。
日向は自分の事には鈍感な癖に、人の事にはやたら鋭い。


「だって亮は字がへたなんだもん。日向ちゃんのノートのが見易い。」


いつもは大抵亮に借りているから……という理由の他に、二人の雰囲気が少しおかしい事にも日向は気付いている筈で、


「どうせ俺は字が下手だよ。」


少し拗ねたように口を開いた亮の言葉に「だよねー。」と、ふざけて返すと日向が僅かに安堵の表情を浮かべた。





優しくて、素直で、綺麗な日向……。


入学式……彼を見つめる亮の眼差しに、正直な所佑樹はほの暗い嫉妬心を抱いた。



二人の中に誰か他人を入れるのが本当は嫌だったのに、お節介な亮のおかげで三人で行動するようになっていって、最初は戸惑いを感じた佑樹だけれど彼の人柄に触れる内、その感情は不思議な位あっさりと消えて無くなってしまい……。


波長が合ったと言うのだろうか?
日向の裏表の無い性格と、時折見せる憂いを帯びたような表情に、彼もまた、何か大きな物を抱え込んでいるような気がして、そのうち……少しだけ常識に疎い彼の事を守ってあげたいと素直に思えるようになった。


もしかしたら、亮と長く一緒にいる内にお節介が移ったのかもしれない。







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あきゅろす。
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