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働かざる者暴れるべからず
コンコン。
「失礼します。」
「座れ。」
襖を開け、部屋に入ったときだった。
そんな声も聞こえず、ただ見入ってしまった。
顔を上げた先に彼を直視してしまったからだ。
10畳ほどの部屋の畳みに隊服であぐらを掻いて構える姿は様になっていた。
(わぉ…久しぶりの二枚目だ。髪ツヤツヤー///)
「お”い!!聞いてんのかっ?!」
「っあ、すいません。」
「(トロいやつだな)っと……璃宮――――」
ズッドーーーン!!!!!
地響きと共に壁が崩れ、砂ぼこりが舞う。
突然のことに額を霞めていく壁の破片を避けるのに精一杯で、敵を確認することが出来なかった。
足元には無惨にも破壊された壁の木が散乱している。
(攘夷浪士の襲撃か?今の破壊威力からして小型ミサイル程度か。
狙いは土方………だといいんだけど。)
細かい砂が舞い上がり、人影すら見えなかった。
(敵が見えないじゃない。)
何があっても対応できるように体を低く保ち、崩れた壁の陰に息を潜める。
すると、残骸の山が独りでに崩れ、さらに砂ぼこりが起つ。
「ゴホッ、ゴホッ!何事だ!!」
土方は埋もれていたらしく、隊服が汚れていた。
「あ、生きてた。」
「あれ?土方さんいたんですかい? チッ、仕留め損ねたか。」
声と共にこの襲撃の犯人が砂ぼこりから姿を現した。
「総悟!テメー、全部口に出てて丸聞こえなんだよ!!刀抜きやがれ!今日こそ切腹しやがれ!!!」
「残念でさぁ。
今日は忙しくて、相手してやる暇がねぇんでさぁ。」
不敵に笑う彼の目には獣が映っていた。
その獣は・・・・・
「そこにいるのはわかってますぜ。過激派攘夷浪士どもですら恐れる最強の剣豪、璃宮憂さんよ。」
あたしに牙を向けていた。
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