[携帯モード] [URL送信]

S
春はやっぱり昼寝


凍てつく寒さの冬が過ぎ、暖かい日差しが屯所を包んでいた。


大半の隊士が巡回に出かけ、屯所はいつもに比べ、落ち着いていた。






(こんな日は縁側で昼寝をするのが一番でさぁ。)


絶好の昼寝ポイントを探し、歩いていると前に煙をなびかせながら土方が歩いてきた。





「おっ、土方さんじゃないですか。どっか出かけるんですかい?」

「今から新しい女中の面接だ。応接室は使えねぇって他の奴等に伝えといてくれ。」

「へー。面接ねぇ。オレには関係なさそうでさぁ。」

と言いながらも、悪巧みが思い浮かび、自然と軽く口元が緩んでしまう。

こういうところは、まだ未熟だ。


「……絶対来るんじゃねーぞ。」
「わかってますって。んで、それは書類ですかい?ちょっくら見せていただきますぜぃ。」






















(・・・・こいつは!!)

「土方さん…………こいつも女中志望ですかぃ?」

「おぉ。そいつも……って!総悟!!!!何処行くんだ!」


気が付けば廊下を走り出していた。


「書類返しやがれ!!!」


土方が後ろで怒鳴っているが、今はそれどころじゃない。

(これが本物だったらすごいことになりまさぁ。)


「総悟!!!!」

「面接には間に合うように返しやすよおぉぉぉ。」









「なんだ?総悟のやつ。」





[*前へ][次へ#]

4/6ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!