小説 ※右手に盾を左手に剣を 遊ジャ 攻守逆転 偶然町でサテライト時代の知り合いに会った時にワインを数本貰った。 俺もそれ程詳しい訳ではないが、なかなか上物のワインらしい。 何でも酒造関係の仕事をしている知り合いからワインを貰ったのはいいが、酒は好きでもワインはどうも好みではないらしい。 …俺がキングであった頃は、デュエルに勝つ度にファンからよくメッセージカードとともに届いていたものだ。 別に俺は酒癖が悪い訳でも弱い訳でもない。何より久々の酒だ、ありがたく頂くことした。 「ジャック、何だこれは?」 帰宅し、先程貰ったワインをテーブルに置いておくと、仕事を終えてシャワーを浴びていた遊星がタンクトップをきたラフな格好で風呂場から出て来た。 肩に掛けたタオルで、水に濡れた髪を乾かしながら遊星は俺が貰らってきたワインを手に取ると珍しそうにラベルを見ていた。 そういえば、遊星がワインを呑んだ所を見た事がない。というか想像がつかない…。昔チーム内で鬼柳が酒を持ちより、皆で呑んだ事があったが、その時はビールや発泡酒ばかりだったし、鬼柳がしつこく薦めるものだから遊星も渋々呑んではいたが、酒に強いのか顔は少し赤くなるものの普段の遊星とさほど変わらない様子だったと記憶している。 因みにクロウも鬼柳も酒を呑むと陽気に笑ったり人に絡んだりする。散々騒ぎ、身の上話等を聞かされたりしている内に酔い潰れて寝てしまうものだから、アイツらは典型的な酔っ払いタイプだと言ってもいいかもしれない。 「酒だ。今日偶然貰ってな、遊星、ワインは呑んだ事あるのか?」 「ワイン…?たしか鬼柳が呑ませてきた物にはなかったな。」 「どうだ遊星、せっかく貰ったんだ一緒に呑まないか?」 遊星の酔った所が見て見たくて何気なく誘うとコトリ…とワインをテーブルに置き、少し眉をしかめながら 「20になったらな。」 とあっさり断られてしまったので、しつこく誘ってみる 「四捨五入すれば20だ」 「だめだ」 「普段は呑めないような高いものだぞ?」 「そうか、よかったなジャック」 「遊星一緒に…」 「俺はいい、一人で呑んでくれ」 「…ッ遊星!お前鬼柳の時は呑んでいたじゃないか!」 「…昔の事など覚えていないな。」 「お前ッ!」 なんで俺の時ばかりそんな厳しいんだ!それに何もそんな頑に拒否しないでもいいだろ? 別に、酔った勢いで…とか考えてなんて……全っ然ない…ぞ。 (くそぅ…どうしたものか…。) しかし少し考えている内に俺は遊星が断れないような作を思い付いた。 「仕方がないな…なら捨てるか…。」 「なに…?」 俺はわざと溜め息をつき、悲しそうな顔をつくりながら立ち上がり、ゆっくりと流し台のある方へと足を進める。 すると遊星は俺の思惑通り慌てて俺を呼び止める 「ちょっと待て!ジャック、何も捨てる事ないだろ。」 「仕方ないだろ?俺一人で呑んでも寂しいだけだ…。それにどうせ貰物だしな。」 「そ…そうだか…」 口ごもる遊星。 もうひと押しだな…。 流し台に向いコルクを引き抜こうとすると 「待てジャック!わかった…呑むから捨てるな!」 遊星がコルクを抜こうとする俺の腕を掴んだ 。 計画通り――。 うむ、我ながら遊星の性格を逆手にとったいい作戦だったように想う。 「全く…、今日だけだぞ…。」 遊星は渋々椅子に座り、俺はワイングラスを2つテーブルへと置いた。 本当はチーズやクラッカーなどのつまみがあるといいんだが、生憎金がない俺達の冷蔵庫にそんな物はない。 まぁ、食べ物がない方が酒がまわり易いから俺にとっては好都合だ。 コルクを開ける為栓抜きを使っていると 「ジャック、さっきの…捨てる気なかったな…」 テーブルに突っ伏しながら俺を睨み付ける遊星、そう睨まなくてもいいだろう。 「俺は物を粗末には出来ない性分でな」 「お前なぁ…」 遊星は最早何も言うまい…と深い溜め息をついた。 ポンッと軽い音をたてコルクを抜くと、とくとくとジャックがグラスにワインを注いでゆく。 芳醇なワインの甘い香りが辺りに広がった。 「凄い香りだ…これも酒なのか?」 ワインの香りに驚く遊星、確かにあまり匂いのしないビール位しか知らない遊星が香り豊かなワインの匂いに驚くのも無理はない。 「あぁ、葡萄で出来た酒だと思ってくれればいい。」 しかし…俺もこんなに良い香りのする物は始めて呑むな、改めて譲ってくれた知り合いに感謝せねば。 グラスに赤いワインを注ぎ終えると、カツンとお互いのグラスを控え目に合わせた 「乾杯」 遊星は俺がワインを口にするのを確認すると、グラスに注がれた真っ赤なワインを見つめながらおそるおそるひとくち口に含んだ。 「甘い…」 ビールとは違うワイン独特の味が口内に広がる アルコール度数もどのワインも平均位なので仕方なく呑んでいた遊星も、味が好みなのかすぐに飲干してしまい2本目開ける。 そんな早いペースで呑むものじゃないだろうが、俺は早く遊星に酔ってもらいたいから忠告はしないでおく。 遊星は見掛けに似合わず甘党なので、甘味の強いこのワインを気にいってくれたみたいだ。 俺は上機嫌に遊星のグラスに注いでゆく。 「ん…たまには酒も悪くないな。」 「そうだろう?さぁドンドン呑め遊星」 「ん、すまない」 しばししゃべりながら呑んでいると漸く遊星は酔いが回ってきたのか呑むペースが落ちてきた。 俺も段々酔ってはきているが大したことはない。 そしてついに全てのワインが空になり遊星が最後の一滴まで名残惜しそうに飲干した。 遊星を見ると頬が桃色に染まり瞳は眠たそうにとろりとしている。 「なくなった…」 「遊星…なかなか良い飲みっぷりだったぞ」 「あぁ…ジャックも…な。」 ふら…。 「遊星っ!?」 遊星が椅子から立ち上がると、酔いが回っているせいか、急に体勢を崩し倒れそうになったので俺は慌てて遊星を抱き留める 「ん―…?」 「遊星…少し酔いすぎだ。」 流石に飲ませすぎたか…?と少し後悔しながらも、状況をあまり理解していない遊星は抱きしめている俺の胸にもぞもぞと頬を擦りよせ甘えてきた。 「んっ…じゃっく…良い匂いがする…」 「……ッ!」 可愛すぎる! こうも事が上手く進むとは予想外だったが、せっかく遊星も酒の力でいい具合に酔っている訳だし今夜はこのまま楽しむとしよう…。 「遊星…」 俺に抱き付いている遊星の顔をあげさせると、アルコールのせいで荒くなった呼吸、潤んだ瞳、濡れた唇…と、俺の理性を崩すには充分すぎるほどの扇情的な表情をしていた。 俺はたまらず遊星の唇に自身の唇を重ねると遊星が俺の肩に手を回し熱い舌を捩込んできた。 「んンッッ…」 酒のせいか積極的な遊星に少し驚きながらも、俺も負けじと遊星の舌に自分の舌を絡める。 くちゅくちゅといやらしい水音がお互いの耳を犯す。 アルコールの匂いとともに遊星の濡れた舌が口の中を躊躇せず暴れ回る。 「んんッッ!」 あまりの長く激しいキスに唇を離し、荒い呼吸を整えていると、急に遊星に思いっ切り床に押し倒された。 「なぁッ!??」 俺の情けない悲鳴と共にバタンッと大きな音が部屋中に響いた。 (ななななッッ…?!) 目を見開くと、遊星が俺を組み敷いており、俺の驚いている表情を見て楽しそうに笑っていた。 「遊星ッッ!一体これはなんのまねだ!!」 思わず俺が声を張り上げると、遊星はしれっと、 「なにって…ジャックを襲おうと思って。」 (何を飄々と言ってるんだコイツは…!) 俺の驚く表情を見るのが楽しいのかクスクスと笑い、俺の唇に優しくキスをしてきた。いつもの遊星の目付きとは違い、熱で少しトロンとはしているものの、目の奥にぎらぎらとした得体の知れない恐怖を感じる。 「そんなに怯えなくていいぞ、ジャック」 「ふッふざけるなぁ!お前に出来る訳なかろう!!」 「できる」 俺の上でにやり、と笑う遊星。ぎらぎらとした遊星の眼光に俺の体は無意識に強張った。 まずい、この目はマジだ… 「まッ…待てッ遊星ッッ!」 この俺が遊星に抱かれることなどあってたまるものか!! 俺は全力で遊星を払いのけようとする、しかし遊星に凄い力で腕を押え付けられてしまった。 (何ッ…?!!) 本気になれば自分より小柄な遊星を押退ける事くらいたいした事ないと想っていたジャックだったが、腕にありったけの力をいれても遊星を押退ける事は出来なかった。背筋に冷や汗が一筋流れる。 「緊張しているのかジャック?いま気持よくしてやるからな…」 遊星は俺の耳元で低く囁くと、耳の形を舌で確かめる様に丁寧に舐めていく。 遊星の濡れた舌が巧みに強弱をつけて耳を犯してゆく、耳元で聞こえる粘着質な水音と生暖かい吐息にさっきまで強張っていた身体の力が自然と抜ける。 「あッ…!」 油断した所をあま噛みされ迂闊にも声がでる。 「どうだジャック?」 「…ッく…!」 認めたくないが完全に普段と逆転してしまっている。 いつも俺がベッドの上でよく言う台詞が遊星の口から吐かれる。完全にワインを飲ませたのが裏目に出てしまったようだ…。 俺が後悔している間に遊星の手が服の隙間から侵入し、下着の中に入った指先が俺の中心に触れた。 「んッッ…!」 「攻めるってのは気分がいいな…」 「俺のセリフをッッ…!」 「ふふ…」 見たことのない挑発的な遊星の表情に不覚にもどきりとする。 遊星の指先が俺のモノを扱き始めると、自分の意思とは関係なく遊星の手淫に身体が熱く反応してしまい、体の中心にしだいに熱が集まっていく。 「ほら…硬くなってきた…」 俺の耳朶を甘噛みしていた遊星は熱の塊を窮屈な服の外へ取り出してやると、すっかり勃ち上がった俺のモノを見て満足そうに微笑んだ。 無言で遊星を睨み付けてやるが、今の俺の表情では奴を煽るだけだった。 「だめだなぁ…ジャックは」 それでは誘っているようにしか見えないぞ? 勃ち上がった俺の中心にフッ…と生暖かい息を吹きかけられ、ぶるりと身体が震える。 「あッ…!」 「いい声だなジャックはもっと聞かせろ…」 「ぁッッ……!!」 遊星が俺の熱い塊にちろちろと唾液で濡れる赤い舌を這わせる。 裏筋の部分を舌先で舐めていると先端から我慢出来ずに透明な露が零れ、それが重力に従い遊星の口許へと伝い落ちて行く。 「気持ちいいんだろ…ジャック?」 「違…うッ…」 「無理をするな」 意地でも理性を手放さんとするジャックに、喉が潰れるぞ?とジャックの大きなモノを遊星は小さな口を目一杯広げて口に入れると舌で巧みに刺激を与えながら絶頂へと導く。 遊星の頬を見ると口内に咥え込んだ俺自身の形が浮き出ていて酷く恥ずかしい。 自身の体液と遊星の唾液で濡れた肉棒はぬらぬらといやらしく光り、遊星の口内ではジャックの鼓動と同じく激しく脈打っている血管を一筋一筋確かめる様に舌を器用に使いジャックの理性を壊していく。 「いやだッ…ゆ…うせぃッ!」 (もう限界だ…ッッ!) しかし、あと少しでイクというところで遊星はジャックのモノから口を離した。 「なぁッ…遊星…ッッ!?」 どういうつもりだ、と息も絶え絶えに震える声で遊星に問う 「だって嫌なんだろ?」「それは…ッ!」 口許についた透明な滴を舌でぺろっ…と舐めとりながら、おねだりしてくれたら続きをしてやってもいいぞ、と俺の顔を覗き込みながら甘く囁いてくる。 すると自分より小柄な男に押倒され、焦らされてている自分がひどく惨めで滑稽に想えた。 しかし限界ギリギリまで高められた快感には抗うことも出来ず 「続き…を…してくれ」 と出来るだけ言葉を濁して言うが、それでは遊星は納得してくれないようだ。 「続き…とはなんだ?」 「なッッ…!!」 「フフ…ちゃんといわないとだめたぞ、ジャック。それともここでやめるか?」 「い、いや…だッ…」 遊星の声にかろうじて保っていた理性も完全に崩れ、無意識にぎゅっと遊星の服を掴み、気付いた頃にはプライドなどかなぐり捨てて顔を真っ赤にしながら必死に懇願していた。 「お願いだ…遊星ので…きもちよく…してくれ…」 「いいだろうジャック…嫌と言う程感じさせてやる。」 遊星はジャックの頭をよしよしと撫でると、お互いの体液でぬるぬると反り返ったモノを再び咥え、先端をキツく吸い上げた。 「ひあぁんッ!……ゆうせぃッッ…もう…だめぇッ!!」 「んッ!」 ジャックのものが弾ける瞬間、遊星はジャックから唇を離した為、勢いよく飛び出した精液が遊星の顔や髪に大量に掛かった。 「…はぁッ…はぁッ…はぁッ……!」 「ん…いっぱい出たな」 遊星は顔に掛かった白い飛沫を指で拭ぐうと、それをイったばかりで敏感になっているジャックの後孔に塗付けた。 「んぁぁッ…やぁッゆぅせッッ!」 濡した後孔に指を少しずついれてゆく。今まで感じた事のない圧迫感と痛みに気持ち悪い。 遊星も普段こんな苦しかったのか…なんてボンヤリと想う。 「流石に狭いか…よく締め付けてくる…」 時間をかけてほぐしていき、ジャックの痴態を目の当たりにして興奮した遊星も自身を取り出し、ジャックの後孔に自分のモノをあてがった。 「やぁッッ…怖い…遊星…」 「心配するな…」 不安そうに見つめると優しく首筋にちゅっ、と吸いつき、紅い印を付けられた。 「くああぁ……ッッ!!?」 苦痛で顔を歪めていたジャックだったが、激しく突いているうちに痛みが徐々に快感へとかわり、ジャックの中心は再び熱をもち始めた。 「はぁんッッ…!気持ちぃぞ……ゆうせぇ!」 「俺も…だ。」 「あぁんッ…もっとッ!!」 その晩は遊星が倒れるまで何度もイかされ、ジャックは気絶するように眠ったのだという。 翌朝。 「ジャックッ!!」 「ゅぅ…せぃ…か…。」 遊星は隣で寝ていたジャックを怒鳴り起こした。 「お前昨日酒呑ませた後俺に何をしたッ!?」 頭はガンガンするし腰も痛いんだぞ!? どうやら遊星は幸い、昨晩の事を覚えていないらしい。きっと酒の勢いでジャックにされたと想っているのだろうか、 「聞いているのかジャック!?」 「遊星……お前ワインだけは一生呑むな…」 俺はそれだけ言うと再び意識を手放した。 「な…ジャック…??」 遊星は突然倒れたジャックに驚いてジャックの顔を覗き込んだ。 「…?」 (なんでジャックの方が辛そうなんだ?) 結局ジャックは一日中動くことが出来ず、空になったワインボトルをベッドの上から恨めしげにみる姿があったという。 「ジャック、それにしても昨日のは美味かったな、今度元気になったらまた呑むか?」 「……ことわるッッ!!」 この事件以来ジャックが遊星にワインを薦めることはなかった。 守ることは攻めることより難しい つまりはそういう事だ…。 後書き 後半ダレてしまってgdgdに…エロ楽しいけどしんどい。 文章の繋ぎが難い いつか加筆修正してUPするかも。毎回タイトルふざけててすいませぬ [*前へ][次へ#] |