小説
*薔薇の刻印 アキ遊 1341hit感謝
1341hit記念のアキ遊駄文
ぬるい暴力表現あり。観覧には気をつけて下さい。
薔薇の刻印
独房のようなうす暗い部屋の中
握られていた鞭をむき出しの背中へと躊躇なく降り下ろす。
「…好き…遊星」
「ぐあぁッッ……!」
遊星が小さく呻き声を上げる
もう何度目かの鞭の乾いた音が辺りに響く。
傷だらけの遊星はぐったりとしていて既に目に光が入っていない
打たれた箇所が火傷をしたかのように熱を帯び、しだいに出来るみみず腫れにも似た痕…。
それはまるで薔薇の色を連想させるような美しい赤――。
なんて…美しいのだろう
遊星の身体には鞭に打たれた跡の他にも火傷や青痣が生々しくあり、古いものから新しい物まで様々ある。
十六夜アキは新しく出来た痕を愛しそうに指先で撫でながら、恍惚の表情を浮かべた。
私は自分のつけた傷が遊星の身体に刻まれるこの瞬間が堪らなく好きだ。
何故か…この時だけは遊星が私だけの物になったような錯覚に陥ってしまう。
小さい子がなくさないように…もしくは、誰かに盗られないように人形に名前や印をつけるのと同じ様に遊星に私の印を刻んでゆく。
突然なくして
誰かに盗られてからじゃ遅いから
身体中私の印で埋める。
「ア…キ…」
空ろな目が何か訴えたそうに見上げてくる
もう何処にも行かせない
誰かと共有なんて嫌
私だけの遊星――。
「ねぇ…遊星」
アキは遊星のカサついた冷たい唇に噛み付くようにくちづけ、首筋に白く細い腕を絡めた。
「愛しているわ…」
今日もまた耳元で愛を囁いた。
後書き
好きな人を独占したい猟奇アキちゃん
短い文章に挑戦中。
1341hitThank you!!
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