17枚目

「手島君…」

「俺も少し気になる事がある。後でな。」


北原君と犀川君が二人の話題に夢中な中、こっそりと言われた。

やっぱり僕にも関係してるんだ。

怖いな…。

僕は一度部屋に戻って、再び部屋を出た。

人目につかない場所で…という事で図書館での待ち合わせ。

試験も終わったばかりで人は少なかった。


「わざわざ悪い、手間取らせて。」

「ううん…僕も聞きたい事があったし。」


僕らは適当な本を取ってから端の方の席に座った。


「まず金井の質問は?」


自分から話し出すのが苦手だから少し緊張していたけど、手島君がリードをしてくれたのでホッとした。


「さっきの写真の話の時…僕の事見たよね?」

「…そうだな。」

「その視線の意味が気になって、」


手島君はいつも無駄がない。

だから余計に気になっていた。


「意味、あると思うか?」

「ないの?」

「…アイツが消したのはお前と吉沢の写真だ。俺はお前らが二人で撮ってたなんて初耳だったが…相当ショックだったみてぇだな。」

「やっぱり、そうなんだ…。」


僕も気分がどんより落ち込んで俯いた。

あの時の写真。

一生手元にくることはないと思ってたけど…消滅したんだ。


「俺も聞いて良いか。」

「うん…。」

「なんで今『やっぱりそうか』って思ったんだ?」

「それは……、」


どうしてだろう?

ただ何となく平村君ならやりかねないって…。


「平村が消したやつが自分だと何故思った?」

「それは…手島君が僕を見たから…、」

「目が合ったぐれーじゃそこまで疑わないだろ。」

「……。」


確かにそうかもしれない。

色々あったから何か一つとっては疑い深くなってる。


「無理に話さなくて良い。ただ何か気が付いてる事があれば教えてくれ。」


手島君とここまで話すのは始めてだな…なんて思いつつ。

これでは手島君も何かを疑ってるみたいだ。

そんな疑問が浮かんだ。


「手島君は…平村君が嘘吐いてるって思ってるの?」


そう、手島君の言い方では理由があって消したと言っているようなものだ。

さっきはクラスメートの居る手前『不注意』だと言っていたが…。


「そうだな。百の信用はねぇ。」

「…友達なのに?」

「元々は赤の他人だろ。それに…友達だからこそ気付く事もある。」

「…手島君は何に気がついたの?」


手島君が見てきた平村君はどんな人だろう…。

一体、何に気が付いたんだろう…。




あきゅろす。
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