06枚目

午前中は色々あった文化祭も午後は平穏に過ごし無事終了した。

終わり良ければ全てよしとはこの事で、嫌な場面もあったけど結果的に楽しく過ごせて良かった。





片付けの最中、吉沢君達を一瞬視界に入れてすぐに逸らす。

もう関わらない方が良い。

何故平村君に嫌な態度を取られるのか見当もつかないけど…僕が不快感を与えているのは紛れもない事実。

お互いの為にも金輪際関わらない方が良い。









イベント続きで盛り上がっていた学内も落ち着き、続いて中間試験が目前に迫っていた。


「金井さん帰りますか。」

「あ、僕図書館に寄りたくて…先に帰って大丈夫だよ。」

「なら俺も行くわ、」

「…ありがと。」


何気ない…些細な事だけど、放課後に友達と過ごせる時間が嬉しかった。

北原君には本当に感謝してもしきれない。


「ここら辺?」

「そうだね。」


僕らは図書館の隅の方の席を取った。

チラホラ他の生徒も居るけど、とても静かな環境で心が安らぐ。

鞄から歴史の教科書とノートを取り出し暗記の準備を始めた。

僕の前に座った北原君も鞄からプリントを取り出して問題を読み始めた。




平和、だな。







「奇遇。いや、運命?」

「え?」

「俺も一瞬に良いかなぁ?」


返事をする前に北原君の隣の席が埋まった。


「平村…珍しいのな。」

「えー俺が不真面目みたいじゃん。」

「いや、いつも吉沢達と一緒だからさ。」

「あー…あの二人は卒アル委員の会議なう的なー?俺は要らないってさー酷いよねー。」


シクシクと言いながら小さく泣き真似をする平村君に嫌な感情がドロドロ湧き上がってくる。

どうして僕に関わるの?

嫌いだったら関わらないでよ。


「金井?大丈夫か?」

「…うん。」

「金井君…俺やっぱり、場所変えた方が良い?」


何で僕に聞くの?

何故か申し訳なさそうな表情をする平村君に不快感を覚えた。


「何で?」


どうしよう、少し言い方がキツ過ぎた気がする。


「だって…いや、良いんだ。金井君に不愉快な思いさせてごめんね…。」

「…不愉快なんて思わないよ。僕の方こそ不愉快な思いさせたかな?」

「俺はむしろ金井君と仲良くなりたいだけだったんだけど…」

「オイオイ、お前らどうしたよ。なにか問題でも?」

「何でもないよ。大丈夫。それより勉強しよ。平村君も一緒で大丈夫だよ。」


北原君が不思議そうに尋ねてきたので強制的に会話を終わらせた。


「良かった…。金井君、ごめんね、ありがと。」


嬉しそうにヘラッと笑った平村君を視界に入れて混乱した。

急に申し訳なさげになったかと思えば普通に笑ったり…何を考えているかなさっぱり分からない。

僕が考えすぎなのかな?




あきゅろす。
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