#03
「作間優です、宜しくお願いします!」
作間は加持や嘉藤と同じクラスだった。
パッと明るく綺麗な顔をした作間にクラスは盛り上がりを見せる。
教室のあまりの騒がしさに、今まで寝ていた加持は顔をあげた。
「加持君、また会えたね。」
「…そうだな、」
何か縁があるのか、加持の隣に作間は着席した。
作間の言葉に対し加持は適当に答えると再び机に突っ伏す。
そんな状態の加持は、加持を見つけた瞬間の作間がどんなに嬉しそうな表情を浮かべていたかなど知る由もなかった。
「加持君。次の移動教室、一緒してもいいかな?」
「…別にいいけど、」
「え、何々?加持君ってばもう作間君と仲良くしちゃってんの?さっすが加持くん!手が早いね加持くぅん!!」
「るせぇよ!!!」
余計な事を言ってくる嘉藤の肩を叩く。
それを見た作間は、面白そうにクスリと笑った。
「でも良かったぁ。僕って方向音痴だから、加持君が居なかったら絶対に迷ってたよ〜。」
「そっか、」
「て言うか作間君、転校してきたばっかだし当たり前〜、方向音痴関係なしに迷ってただろ。なぁ加持?」
やけに突っかかった言い方をする嘉藤に疑問を浮かべながら、振られた質問に頷く。
すると横の作間も「…そうだね」と苦笑いした。
作間が転校してきて数週間か経った頃。
「なぁなぁ、作間のことどう思う?」
嘉藤は加持にそう問い掛けた。
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