真心文庫
忠告
翌日。
身体測定開始時間30分前、賢人の宮殿の一階に位置する 救護の間に二人の人影があった。
まだ若い方だと思われる二人の女性は、30分後の身体測定に向けて下準備をしていた。
この二人は、わざわざ遠方から呼ばれた医者だそうだ。ちなみに、信憑性が無いわけは
銀の紹介を受けた長門が、経歴も分からないこの二人を「蒼真くんがいうならいい人なんだろう」と
信じきっていたため、この二人を呼んだのだ。よくもまあ、こんな怪しい人物をたやすく呼んだものだ。
「ユウちゃーん、あと30分で始まるねー」
少し、もう一人よりも年齢が上だと思われる女はそう軽いノリで言った。
「そうですね〜先輩。何だかとても楽しそうなことなってきましたね。」
ユウと呼ばれた女のほうはのんびりと答える。
「なんかねー銀君から聞いたけどイキのいい子達がゴロゴロいるらしいよ?
うでがなるわぁ・・・むふふふふ^p^」
顔文字通りの顔をする女はきもい笑い声をあげる。
「さすがDr.HISORAさん。シンクロですね(*´ω`)」
こちらは顔文字通り、何を考えているのか変態としか思えないほど顔を綻ばせている。
まあ、一言で言えば二人とも
変態
だ。
「じゃあ、わたしは、おとこのきょ担当でいいよね?うっふふふふふ」
「どうぞ。私も資料見た限りの範囲で、弄りたい女の子がいるので。」
なんてキモい二人組なのだろうか。
そしてその変態医者(自称)は、この後来る子達のことを妄想しながら時がたつのを待った。
ーーー
始まりの間
なぜか、他のクラスの人間達は一足先に終わったらしく、始まりの間には次々と帰っていく生徒達でごった返していた。
炎精組と生徒会はなぜかはぶかれたらしく、ひとまず全員が出て行くまで入り口で待っていた。
「そろそろ入れるかな?」
みちるが先に入ると、そのほかの皆も続いた。
中に入ると、あんなに居た人間達が消えており、この場にいるのは二人の人物だけだった。
その中の一人がみちるたちに気づき、声をかけた。
「みちる?あんたらまだやってないわけ?」
この聖獣学園で最強と呼ばれる実力を持つ海月だ。
「あ、うん。そっちは終わったみたいだね、海月。あれ?そっちの人は?」
海月の隣にいる金髪に近い茶髪に、見る感じ優しいオーラを放つ少年が気になり、みちるは訊いた。
海月は、その少年を見、答えた。
「こいつは笠木知希。この前の入園試験でうちのいる雷神に入った奴。」
「笠木です。よろしく。」
優しそうな人だ、とみちるは思い 笑顔で言った。
「私は藍崎みちるです、雷神組ってことは実力すごそうですね!」
「ありがとう。でもまだまだだけどね」
みちると知希が話しているのを見ていた一同だったが、その中で銀があっと声を上げた
「なーんだ!誰かと思ったら知希くんじゃないか!」
テンションが高い銀に対し、知希はたんたんと答えた。少し呆れ気味にも聞こえなくも無いが。
「ああ、蒼崎銀・・・だっけ。」
「蒼・・・、蒼真だけど?間違えないでほしいなあ」
「ちゃんと蒼崎って言ったつもりだけど」
「だーかーらー!!あ・お・ざ・きじゃなくてあ・お・ま!!!」
銀はそう、大きな声で言うが知希は特に気にすることなく、みちるのほうを向いた。
ひとまずこのうるさい奴に関わっていたら話が夜まで続くだろうから、賢明な判断だろう。
「藍崎みちるちゃんだっけ、気をつけたほうがいいよ。・・・なんか先生が変わった人だったから。」
「あーうちもおもった。なんか、たまにニヤケ面が見えたし。なんか色々と裏ありそうな奴だった。」
「え、男の先生?」
その質問に、二人とも言葉を返した。
「男子のほうは若い女だったけど、女子のほうは知らないな」
「女子のほうも女だった。・・・まあ、うちだけ女子が出て行った後入ったけど。」
女子まみれの空間を思い出した海月は一瞬不機嫌な表情になる。
そして、知希に言った。
「そろそろ戻るか。」
「そうだね、授業遅れるとまずいだろうし」
「じゃ、とゆーわけでうちら戻るわ。気をつけなよー」
そういった海月は知希と一緒に始まりの間を後にした。
そしてその数秒後、二人の人物がみなの前に姿を現した。
海月と知希が言っていたとおり、どちらも女だ。白衣を着ていることからやはりこの二人が担当なのだろう。
「おー来た来た。こりゃあいい男ばっかだわ・・・。さっきの笠木くんもなかなかのもんだったけどね むふふふ^q^」
「先輩・・・さすがに早いですよ、それは;では、始めるので、漆黒の間に男の子、純白の間に女の子が入ってください。
ちなみに私は女の子を担当させてもらいます。ユウです。」
「わたしは童t・・・ゴホン男の子担当のDr.HISORA。さー入りなさいな♪」
「では、こちらへ。」
そう言ってユウは女子を連れて純白の間へ、Dr.HISORAは男子を連れて漆黒の間に入った。
さあ、ここからが楽しいです。
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