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真心文庫
再び侵入成功
爽は門に手をかけ、門をよじ登った。
門の1番上まで上ると下にいる陽月と絆を見る。
そして「上がって来い」と言うように片手で上がってくるように指示をする。
その指示を元に陽月が軽い身のこなしで門をよじ登り、絆に手を差し伸べ、一緒に爽のいる上まで上がった。

「落ちんなよ。」

「1度ここに侵入したことならある。落ちるわけが無かろう。」

「そうだよ。あたしたちは、前科ありだから♪」

「前科ありとか言うんじゃねぇよ;」

爽は呆れながら門の内側に入った。
それに続いて2人も内側に入る。
3人はある程度下りられるところまで下りた。

「爽、君、足に自信はあるか?」

「んー・・・?まあ、あるっちゃあるな。」

「爽くん速いもんね。」

「他の奴らと比べればな。んで、いきなりなんだよ?」

「念のために訊いただけだ。この敷地内に足を踏み入れたら、いつでも走れるようにしておくといい。恐らく・・・」

陽月がそこまで言うと3人は敷地内に同時に足を踏み入れた。
そして突然、警報が鳴り響き、あの時と同じように警備員たちがやってきた。

「警報が鳴り、警備の人間達がやってくる。」

「それ先に言えって!!」

「じゃあ、走ろっか♪」

そう言うと3人は走り出した。

3人は追いかけられながら真っ直ぐに走った。
警備たちがポケモンを出し、追いかけてきた。
ガーディーやウィンディーと言ったポケモンだ。
それに対して陽月の鞄からまた勝手に出てきたのはメロエッタのルーチェ。
ルーチェは陽月の肩にしがみつきながら、ポケモンや警備員たちに害の無い歌うを使った。

ポケモンや警備員たちは眠りの世界に入った。
だが、またすぐに別の警備員たちがやってきた。

「やっぱりまだ居たんだね;爽くん、もうすぐだy・・・って、え?!」

爽にもうじき着くことを伝えようとした絆が横を振り向いて見たのは、眠りながら走っている爽だった。
さっきの歌うで爽も歌を聴いてしまい、寝てしまったようだ。

「えっ?!ちょっ!!爽くん寝ながら走らないで!!!」

爽はその声で何とか目を覚ました。
そして絆を見ると苦笑いをした。

「悪ぃ、つい」

「ついじゃないよ;」

「見えてきた。」

陽月の言葉で2人は目の前の建物に目を向けた。
だんだんと建物に近づく。
建物の大きな扉は、あの夜と変わらず、少しだけ開いていた。
だが、今は走るのに必死でそこまで誰も頭が回らなかった。
その先で何が起こるのかも・・・。

3人はその開いた扉から、中へ。
汚れ1つついていない真っ白な塗装のされた賢人の宮殿の中へ


突入した。

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