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年上の吸血鬼




「美羽(みはね)さん!?」

「久しぶり、美桜」

美羽さんはあどけないような笑顔で笑った。そしてひょいと視線を私からずらし、

「誰だそいつ?」

小学生では頑張っても出ないような超低音じみた声音を発した。

「この人は世にいうストーカーというものです」

「ほぉ…お前名前は?」

「!」

突然話をふられたのかヴィジュアルな青年は目を丸くしていた。
だが少し間を置いて、独り言を言うかのように呟いた。

「…上村 義一」

「義一とやら、お前はまだ若い。未来もある。俺はストーカーを止めはしないが、ストーカーをする相手を選んだほうが良いと思うぞ。趣味が悪すぎだ」

「…ストーカーじゃないんだけど」



「何っ……被害妄想か。美桜良い精神科なら私は知っているぞ。悪いことは言わない見てもらえ。薺のことで疲れているのだろう。一度で良いからカウンセリングへ行った方がいい」

「失礼にも程があります。…まぁストーカーってゆうのは冗談ですが、大まかに説明すると彼は私の血液が欲しいそうです。」

青年を見てニコリと微笑んでやった。
すると美羽さんが無言で青年を品定めするかのように見つめた。
しばらく、無声の時が流れた。

青年は耐えきれなかったのかゆっくりと口を開いた。

「俺は薺が何でこの女に惚れ込んでいるのか気になっただけだ。そのために血液を採取して成分を調べたかった‥ので、本人と接触した」


悪いことなどではないというような顔。

まあ、吸血鬼ですから血を頂戴するのは当たり前か。




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