年上の吸血鬼 逃亡 「うむ義一、調べるのは良いが血は吸わん方がいい」 「…(初対面なのに上から目線でしかも呼び捨てかよ。)何でだ?そこまでコイツの血は強力なのか?」 「強力と言おうか…はっきり言うと不味い、腹壊すぞ」 ダイレクトやなー。 というか、その前にあたしの血って不味いんだ。 「美桜の血を好むのは薺ぐらいだ」 薺さんだけじゃなくて他にもいるだろう。何か不味いと言われると軽くショック。 「あたしだって好きでこの血になったんじゃありません」 「まぁそんなこといいから血くれや」 そんなこと!? 失敬な。 「嫌ですよ。ただでさえ血少なくて貧血なのに、噛み痕だって残るし。」 「安心しろ注射器だ」 「もっと嫌です!」 青年に大きな声を浴びせ、私は全速力で走り出した。 [*前へ] [戻る] |