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しょーと
愛故に(小+政+幸+佐/玖樹様へ)



※あんまCPとかじゃないです←
ちょいギャグ要素あり(^q^)←



奥州。

降り続く雪が何もかもを白く染め上げていく冬真っ盛り。

雪の中に聳(そび)え立つ伊達政宗が拠城、青葉城も例外ではない。

外壁、瓦…仕舞には空迄何処を見ても真っ白な情景の中、白以外の色を思い出した様に突然に空から稲妻が城に向かって走った。

それは一度や二度では収まらず、立て続けに何度も何度も景色を蒼に染め上げる。



「Ha…一番、とは良い度胸じゃねぇか小十郎…」
「それは此方の台詞です、政宗様。さぁ、早く先程の言葉を訂正して下さい」
「No.何で事実を訂正しなきゃならねぇんだ」



一触即発。

青葉城の一室、そんな雰囲気で睨み合うのは、城の城主である伊達政宗、そして其の側近である片倉小十郎である。



「事実、ですか。それは違いますよ」
「Ah?俺の言ってる事が間違ってるってのか?」
「えぇ、其の通りです」
「Ha!そんな訳ねぇだろうが」



険悪な空気の中、互いを牽制しあう様に言い合いを続ける両者。

一言、二言と言葉を重ねる度に両者の言い争いはヒートアップしていく。



「大体、可笑しいだろうが!何でそうなるんだよ!」
「それが事実だからに他ならないでしょう、政宗様」
「Ah…?」



ばちり、と何かが爆(は)ぜる音がする───と同時に、両者の身体から電撃が飛び散った。

ばちりばちりと断続的に聞こえる音が、暫し沈黙する部屋に響く。



「Ha…前々から、この件についてははっきりさせねぇといけねぇと思ってたんだ」
「何を今更。答えなどもう出ているではありませんか」
「…良ーい度胸だ、小十郎」



低い声で右目に呟く竜が、素早く傍に在った六爪を手元に引き寄せる。

それに同調したかの様に右目が手元の愛刀を持って立ち上がれば、不敵な笑みを浮かべ竜も立ち上がった。



雷が、止む事なく鳴っている。

右目が先導して、文字通り身を斬るような寒さの中、両者は城の廊下を歩いて行く。

時折二人に気付いた部下が元気に挨拶をしようとして、そして二人の異様な雰囲気に即座に其の場から逃げ出した。

身体中からばちりと電撃を迸(ほとばし)らせながら、然し其の表情は何故か機嫌良さそうに笑って居るのである。

人間、本気で怒った時と言うのは、意外に怒った表情をしない物だ。逆論すれば、笑っているのにこんな雰囲気の時が一番危ない。

加えて、元々眼光の鋭い政宗に元来から恐れられている小十郎のタッグである。奥州兵からすれば、鬼も裸足で逃げ出す程の恐ろしさなのだ。

無言のまま、二人は辿り着いた訓練場で向かい合い、そして睨み合う。



「That's all…俺とやろうってんだな、小十郎?」
「この小十郎にも、譲れぬ事はあります」
「Okay…覚悟は良いか?」
「無論」



すっ、と、両者が刀を鞘から抜き、構える。

鞘が床に着地する音と雷が落ちる音と同時に、二人は動いた。

きぃん、と刀が鳴く。

政宗が上段から刀を振り下ろすが、小十郎は涼しい顔でそれを受け止め、弾く。序でやってきた政宗の横からの薙ぎ払いを一歩後退し小十郎が避け、正面に迫った小十郎の白刃を首を動かし政宗が避ける。

譲らない本気の打ち合いに後ろからひっそりと後を追って来ていた兵士達は息を呑み、どうしたものかとあたふたと相談し始める。

そんな相談中にも打ち合いは続いていて、加熱する一方の打ち合いに兵士達は更に混乱した。



「筆頭ォォォ!もう止めて下せぇ!」
「これ以上は訓練場が持ちませんよー!」
「小十郎様ぁ!せめて雷落とすのは止めて下さいよぉ!」



喧喧囂囂(けんけんごうごう)とした兵士達の声に構わず、怒りに身を任せている二人は絶えず甲高く刀を鳴らしている。

筆頭、小十郎様と言う叫び声が数秒続いて、そして、遂にそれに耐えきれなくなった小十郎が叫んだ。



「るっせぇぞお前等!黙ってろ!」
「ぅ、無理です!俺等雷に当たって死んじまいますって!」



一瞬小十郎の声に怯んだものの感電死よりはマシだと思ったのか、泣きながら兵士達が反論する。

それに凶悪な顔で舌打ちしながら、小十郎は目の前の主に声をかけた。



「だそうですよ、政宗様」
「Ha!仕方ねぇな、次がlast danceだ」



にやりと笑った政宗に、望む所だとばかりに小十郎は笑う。

これだけは譲れない、譲らない。

胸に一つの思いを持ち、そして二人は刀を高く振り上げた。






























「「俺の嫁が一番だッ!!」」






























「───っていう事があった」



ついこの間、と続けられた恋人の言葉に、甲斐の若虎、真田幸村は従者である猿飛佐助に手渡された湯飲みを落としそうになった。

ゆっくりと幸村が隣を見るとどうやら佐助も同じ思いだったらしく、引きつった顔で湯飲みをそっと盆の上に戻している。



「いや、あん時は凄かったな。今思えば良く訓練場が無事だよな」
「…言われてみればそうですな」
「えぇ、軽っ…」



あっけからんと茶を啜る奥州の竜と其の右目に背筋に冷たい物を感じながら、幸村ははたと思い至った。

そういえば、城に着いた時自棄に伊達兵達が感激していた様な。この部屋まで案内してくれた政宗の従兄弟、成実殿が助かったと呟いていた様な。



「ち、因みに政宗殿、其の様な事は他にも…?」
「Ah…そうだな、週に一度位は」
「しゅ、週に一度!?」



嘘だ、そんな恥ずかしい闘いが週に一度も!

然も聞けば喧嘩する理由は毎回同じで、毎回大声でどっちの恋人が良いかとか叫んでいる。らしい。

ぐらりと気のせいではなく揺らぐ視界に、佐助は深く溜息をついた。どうしたと小十郎が聞いてくるが、佐助からすれば其れ処ではない。

週に一度、落雷により生きるか死ぬかの生活を続けていれば、成る程先程の兵や成実の態度も頷ける。

知らぬ間に自分は誰かの命を危うくしていたのか…と幸村と佐助は同時に嘆息した。後で必死に謝っておこう、と考えながら。



「余り、其の様な事をなさらないで下され…」
「小十郎さんも。頼むから、ほんと…そんな事で喧嘩しないでよね」



疲れた二人の願いに首を捻り政宗と小十郎は頷いたが、結局それは一時的な物で、暫くしてから二人は奥州に出向き、同じ言葉を繰り返す羽目になった。

政宗と小十郎が喧嘩をする理由は何時も同じ。どちらの恋人が良いか。

其処迄して自分を思ってくれているのは嬉しい、嬉しいのだが。



「「はぁ…」」



愛故のこの暴走を、果たしてどうしたものかと頭を悩ませる幸村と佐助であった。





故に

キミが一番!





*あとがき*

やwっwちwまwっwたwwwwwwwwww

馬鹿が書きたかった←お前

政宗と小十郎に俺の嫁が一番だって言わせたかっただけっす←

7日お誕生日の玖樹様へでした…遅れてスマソ(´;ω;`)
遅れた結果がこれで更にスマソww

ギャグになりきれてないギャグだなーww

2011.03.12 白黒

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あきゅろす。
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