Short dream
公共恋愛 風丸夢 甘
ここは雷門中学校。
授業も全て終わった放課後。
「名前ー。会いたかったー」
風丸は大好きな彼女、名前に後ろから抱きついた。
小柄な彼女は包み込まれた。
「・・・あのねぇ?風丸さん?」
放課後とはいえ、人は少なくない。寧ろ多い気もする。
名前は苦笑いしながら、風丸の手をどけた。
「何だよ名前。冷たいなぁ。俺は寂しかったのに」
風丸は拗ねた。
「風丸さん?あなた最後の授業の前にも私のところ来て同じ事言ってたよ?」
「いいじゃん、寂しいものは寂しいんだから」
名前の肩に落ちた青色の長い綺麗な風丸の髪が耳を擽った。
「俺、名前依存症みたいだ」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・名前?」
「ばーか。この馬鹿丸」
「うわ、酷いなぁ。それに風丸だって。てかいい加減名前で呼んでくれ。」
「私だって、寂しかったんだから、風丸がいなくて」
顔を真っ赤にしながら小さく呟いた。
しかし、風丸の耳にはちゃんと届いていたらしい。
ぎゅうっとさっきよりも力強く抱きしめてきた。
「ひゃあうっ!?風丸っ!?く、苦しい・・・」
「愛してる、名前」
「・・・馬鹿」
「俺は名前馬鹿ならいい」
「おい、部活だぞ、風丸」
目のやり場に困っている鬼道。
「何やってんだお前ら・・・?サッカーやろうぜ!」
困ったように二人の前に立つ円堂。
「・・・ここは一応公共の場だぞ?」
呆れた様に言う豪炎寺。
「そうだ、部活!名前、待ってろよ?」
そして、耳元で囁く。
「続きはあとで、な?」
「!!」
「じゃあな!」
手を振りながら去っていく風丸。
真っ赤になりながら呆然と立ち尽くす名前。
「何が続きはあとで、だよ・・・馬鹿丸」
(公共恋愛)
(そんな貴方に今日も釘付けです)
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