Short dream
スキンシップ=愛情表現 源田夢 甘
「名前。今日も可愛いなぁ」
そういい、彼女の髪を撫でる源田。
「もーっ、子ども扱いしないでよね。私、中学生だし」
「中学生は子どもだ」
「じゃあ、幸次郎はどうなのよ?」
「俺は大人だ」
「意味わかんない」
意味なんてないさ、と再び名前の頭を撫で始める源田。
途中、佐久間やら鬼道やらが歩いていたが、2人を見ると、佐久間は赤面になり、鬼道は溜め息をついて素通りして行った。
他の生徒も通るが、驚いたりはしない。
いつものこと。
源田がスキンシップと言っている行為。
偶にセクハラギリギリ。
名前も流石に行き過ぎると怒ることはあるが、本人には全く自覚がないもんだから怒るに怒れない。
しかも、当の本人は怒られてもやり続ける様子。
でも、何故許してしまうかと言うと、彼が優しいから。
それ以上に答えはなかった。
「幸次郎って、何か、お兄ちゃんみたい」
「は?」
「優しくって、頭撫でてくるから。お兄ちゃんが居たらこんな感じなんだろうなぁ」
そう言って笑いかけると、源田の顔はたちまち曇った。
「幸次郎?」
「俺は、お前の兄みたいに見えるか?」
「うん。たまーに」
そして、更に傷ついた表情になった。
「そうか・・・」
きりっとして、整った顔立ちが崩れそうだった。
「幸次郎?あの、私、悪いこと言った?」
「あぁ。言った。俺はお前の彼氏であって、お前の兄じゃない」
「へ?」
「・・・兄だったら結婚できないだろ」
そっぽを向く源田。
両方ともみるみる顔が赤くなっていった。
「うー・・・、だって幸次郎、私のこと妹みたいに扱うじゃない。頭撫でたり」
「それが原因か?だったら、それをやめる」
「やめちゃヤダ」
えっ、と驚いた表情になる源田。
「何故だ?」
源田が、聞いたら、只でさえ紅かった名前の顔がもっと紅くなった。
「・・・寂しくなっちゃうから」
そう言った途端に源田に抱きついた。
源田も微笑を浮かべ優しく、抱きしめ返した。
「・・・そうだな」
(スキンシップ=愛情表現)
(貴方のそんな優しさに、私は惚れちゃうんだ)
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