友情芽生える(3/9)
「そーいや花道、部活の時間は平気か?」
「まぁ、少し顔を見ていくくらいの時間はある!」
「あっ、そう」
((本当かよ‥))
とりあえず、
名前も学年もわからないので、
彼女がいる事を願って、美術室行くことにした五人。
目的の場所に着くべく、彼らは校内を移動していた。
「おっ、ここだ」
美術室に着くと、
もう、部活が始まっている様で、
中から生徒達のにぎわう声が聞こえる。
「やってるみたいだな‥」
部屋の中を覗き込む五人。
美術室には二十人くらいの部員がいる。
その内の九割は女子部員のようだ。
「‥おいおい。
やっぱり女の子ばっかだぜ」
「場違いだな、俺達」
「‥なぁ。
それより、中にあの娘はいるか?」
じー。
桜木を除く四人が目を細め、
部員の顔を一通り眺める。
こちらに気付いた何人かの生徒は、
不審そうにヒソヒソと話している。
「いなそうだな」
「うーん‥。
もしかしたら、今日、部活に出てないとかじゃないか?」
「‥誰か部員に聞いてみるしかないか。
よし、花道声かけてみろよ」
ポンっと花道の背中をたたく大楠。
それに、花道は自信満々に答えた。
「おうっ!
この天才にまかせたまえっ!」
がに股で、ズカズカと中に入っていく花道。
廊下では四人がニヤニヤしながら、
“ヨッ!流石花道!“
“大胆だねー男らしいっ!“とか言っている。
馬鹿にされてるのに気付かず、
花道は満更でもなさそうだ。
「やぁ、あの‥君達、
ちょっと尋ねたいんだが〜‥//」
潔く入っていった割に不自然な言動の花道。
その頬は紅く染まっている。
(ぷぷっ!
花道の奴、女子部員の前でいっちょ前に照れてやがる!)
後ろで涙をため、笑いを堪える四人。
「やっ‥」
「なぁ‥」
「君っ‥」
(((ぷー!!)))
笑いが止まらない四人。
頑張っている花道の努力も虚しく、
部員は彼のことをことごとく無視している。
(‥おっ!)
すると、一人の部員と目が合った。
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