潤と祐二のその2 楽しい楽しい霊体験 1 よお・・・。 俺、影、薄くない? 良かった。ふう〜っ。 なんかさぁ、俺としては、あの子に出ていって欲しいなって思ってるわけ。 でもなぁ。 なんか、祐二の奴、嬉しそうなんだよな。 そりゃ、そうだよな・・。 あいつ自身に話しかける奴っていないんだもんな。 俺、以外に・・。 あの子に名前を付けることにしたよ。 名前・・覚えてないっていうんだ。 生前のことは何一つ、覚えていないらしいんだ。 祐二は、あの子をしばらく、おいてやってくれっていうんだ。 何故、成仏出来ないのか、原因が分からない限り、 あの子は、どこへも行けないらしいんだ・・。 幸い、俺は、霊感って奴はないから、いいんだけどな。 まあ、祐二が、その子をめんどう見てくれるなら、 まあ、いいか。 もともと楽天的な俺だから、気にしないことにした。 それがさ・・。 学校の前の踏切で妙な事が起きたんだ。 踏切を横切ろうとしたとき、足が捕まれたように動かなくなった。 するとすぐに、カーンカーンと遮断機の下りる音がしたんだ。 俺は焦って動こうとすればするほど、身動きが出来ないんだ。 心底、俺はぞっとした。 すぐ其処に電車の先頭車両が目に入ったんだ。 「去ね!」 少女の声が発せられた。 一瞬、電気が全身を駆けめぐった。 その瞬間にふっと感覚が戻ってきたんだ。 俺は転がるように踏切から飛び出た。 間一髪で、俺は助かったんだ。 「良かったな。潤。 僕たちでこれからも守ってあげるからね♪」 「ねっ・・・」 う゛っ・・・・・・・。 [前へ][次へ] [戻る] |