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ひと夏の恋
page 10
おっしゃぁぁぁぁ!!

やったぜぇぇ♪

フォッフォッフォッフォー♪

今朝の朝刊に奴の間抜け面が写ってた。
「今、暴かれる 素顔!!」ってな♪

聞きたい?聞きたい?
にっま〜♪

実はな、マスコミにメールを打ったんだ。
あらかじめ、時間差でホームページに暴露してからな。
文?
もちろん。祐二に書いてもらったさぁ。
俺の文章力だと、まず相手にされないっしょ〜。

ホームページには、噂程度に流して置いた。
奴の実名は入れずに、でも判る程度にな。
あちこちの魔夜の非公式ホームページにだ。
魔夜のメールを一部、引用させてもらった。

「何故、ここまでしなくちゃいけないの?
ホントは芸能界、止めたっていいのに。
でも契約があるから・・。
親には迷惑はかけられない・・。」
俺は魔夜の友人として、書かせてもらった。
友人としてどうしたらいいの?
どうしてあげればいいの?って。女言葉で♪

そして、マスコミ各社には、ホテルと時間まで丁寧に書かせてもらった。
直前に踏み込んで彼女を助けて欲しいと。これは強要なんだと。
うすうす、奴の噂はあったらしい。
ただ、確証がとれなかった。
それは、今日の新聞に書いてあった。

俺?
殴り込み?

・・もち、行ったさぁ。
別に凶器は持ってないかんな。
もし、上手くいかなかったら、かっさらうつもりで行ったんだ。
それくらいは出来るって思ってたから。
でも、ホテル前には、信じられない位の人数が潜んでたっけ。
一般客みたいな格好でな。

俺はその中に紛れ込ませてもらった。
そして、一番にドアを叩いたのも俺。
扇動されたマスコミは一斉にドアを叩いて抗議を始めたよ。
なにもなけりゃ、開けられるだろって。
そして、見届けたよ。スクープされるとこ。

彼女?
胸のボタンをベッドの片隅ではめていた。
俺は、すぐに来なかった事をひけめに感じた・・。
彼女の横顔があまりにも痛々しくて。

ふっと彼女は顔を上げたんだ。
視線は俺に注がれていた。

瞳は涙で濡れていた。
唇を噛みしめたまま・・。

俺っ胸がきゅんてした。
胸がキュッと痛かった。
震える想いで、彼女は部屋に来たんだろうな。
おそらく、祐二の助けを待ちながら・・。

俺・・やばい?

・・・・これ以上、書けないわ。
・・また、明日な・・。



   2020.7.6 jun.



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