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6:【仕方ないじゃないか】
『やっと風呂〜!エース風呂どこですかー』
「パパのこと嫌いになってない?なってない?」
『んもうパパ!なってないよ!パパはいつまでも僕のパパなんだからっ』


どこか棒読みひずにちゃん。


「良かったァァァァ!パパ元気になったよ」
『パパ良かったねパパ』
「何で語尾にまで付けてんだよ;てゆーか何かエース隊長といると疲れる・・・
「何か言ったかキフリ」
「いえ、何も。それより風呂は大浴場だからな、もしかしたら誰か入ってるかもしれねェ」
『関係なーい!ってことはなーい!』
「なーい!」
「エース隊長・・・ホントどうしちまったんですか・・・」


はぁぁ〜、とため息をつくキフリはほっといてまたエースが一緒に入るなどと言っている。


「背中流し合いっこしよう!」
『エースゥゥゥ!!ちょっと待ってェェェ!鼻血出るっ!』
「って一緒に入ることねェだろ!何やってんだよ!!」
『そうだよそうだよ!一緒になんか入ったら僕出血多量して死んじゃうゥゥゥ!!』
「なんつーか逆じゃね!?普通男のほうがそうなるもんじゃね!?」
「さっきからキフリどうしたんだ?うるさいぞ」
「エース隊長何言ってるんすかァ!これはエース隊長とひずにの為でもあるんです!一緒に入っちゃいけません!!」
「えー!何でだよ!!」
「それは・・・ひずにに嫌われますよ!」
「なっ!?それは嫌だ!!」
『ま、まァそういうことにしておこうか・・・ナイスキフリ君』
「おう・・・ハァ、何かスゲー疲れたぜ」
『じゃァ行くか!』


変態などと言われようが実は一番常識者でもある。それがキフリ君。


「おっ、誰もいないぞ」
『よし!じゃァ二人とも見張りよろしく頼むよ』
「え?見張り?」
『そりゃァ誰か来たらアウトだろ。てことで見張り』
「任せろ!パパがしっかり追い返してやる!娘の体を他の野郎に見せてたまるか!」
「エース隊長、本当にもうパパはいいです・・・」
『パパ頑張って!僕応援してる!』
「おう!」
「お前も煽るなよ・・・。疲れるんだぞ」
「何か言ったかキフリ」
「いえ、何も」


さっきも見たようなやり取り。


「(絶対あいつ遊んでるだろ・・・)」


もちろんひずにの『パパ』と言うこと。

ハァ、とため息をつくキフリ。段々と苦労人になるフラグが立ちつつある。

しばらく大浴場の扉の前で立っていたが、そこへマルコがやってきた。


「こんなとこにいたかぃ、エース、親父が呼んでる」
「親父が?」
「ああ、とりあえず親父のとこ行けよぃ」


マルコがニッと笑いながら言う。何かあるようだ。

訝しげに思いつつもエースは親父の部屋へと向かう。が少し止まり、


「あ、マルコ、見張りやっといてくれ」
「見張り?なんだ?」


そのまま行ってしまった。


「マルコ隊長、ひずにが今風呂に入ってるんですよ」
「ああ、なるほど。でもそんなの一人でできるだろぃ?」
「お願いしますマルコ隊長!居て下さい!!」
「ど、どうしたんだよぃ;」


キフリのすごい剣幕に仕方なく付き合う事に。


「良かったマルコ隊長!!もう聞いてくださいよ!最近のエース隊長ときたらひずにに対してものすごく親バカなんですよ!そんなもんだかエース隊長の言動に気をつけておかないといけないんです!!その他にもうんたからかんたら・・・」
「(・・・コイツ俺に愚痴聞いて欲しかったのかよぃ?;長くなりそうだな・・・)」


マルコはため息をついたがまくし立てるキフリは気づかない。

その頃エースは、親父の言葉に驚愕していた。


「・・・うんたらかんたらそんでもってひずにが煽るからエース隊長が」
「・・・キフリ、」
「人が沢山いるにも関わらず叫んだりしだして」
「キフリ」
「俺もうすごく恥ずかしかったんですよ!?」
「キフリ!聞けよぃ!!」
「えっ?どうしたんですかマルコ隊長?」
「たくっ・・・お前愚痴を言うのは構わないが限度ってものがあるだろぃ」
「あっ、すいませんマルコ隊長・・・何か昨日の今日なのにすっごく溜まっていて・・・」
「・・・(一体エースに何があったんだよぃ)」


キャラ崩壊です。


そんな二人のところにエースが神妙な顔をして帰ってきた。


「エース」
「マルコ・・・俺は反対だ」
「そんな事言ったっていつかは来る、海賊であるからにはな」
「・・・」
「エース隊長?マルコ隊長、何の話ですか?」
「ああ、実はなひずには・・・」
『何の話でーすかー?』
「うわっほぃ!!!」
「「『マルコ/(隊長)/(さーん)?』」」
「・・・・・・・・・・・・・・・」


マルコは固まっていた。そりゃァ見る人に分かるほどに。恥ずかしさで。


『・・・ゴメン』


ひずにはその一言を残すと脱兎の如く逃げた。

そしてエースとキフリもなんとなく逃げた。

そこにはポツーン、と顔が赤いマルコだけ残されている。そしてその赤い顔がだんだんと歪み・・・、


「待てよぃオメェ等ァァァァァアアアァァァ!!!!」


最終的には鬼の形相で三人の後を追うのだった。


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あきゅろす。
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