[携帯モード] [URL送信]
34:【反乱軍を止めろ!】

ルフィがエースから貰ったビブルカードを帽子に縫い付けてもらってるのを見た後、ビビにフードの付いた全身を覆う服を渡された。

サンジがナミやビビちゃんがそれを着る事に大変ショックを受けている。分かるよ、できれば僕も踊り子の衣装ずっと見ていたかったよ。


「ああっ!!あれっ?島の端っこに出ちゃったぞ」
『本当だー。あ、でも向こう側に対岸見えるよ』
「島の端じゃなくてここはサンドラ河の河岸、だから向こう側に対岸があるのよ」


ビビが地図を広げた。


「見て、これがざっと描いたこの辺の地形よ。目的地はここ!!『ユバ』という町。サンドラ河を抜けてこの町を目指すわ!!」
「そして"ユバ"には反乱軍のリーダーがいるってわけか」
「そいつをブッ飛ばしたらいいんだな!!?」
「やめて!!!?」


ビビちゃんが凄い顔で首を振る。


「反乱軍は説得するの。もう二度と血を流してほしくないから・・・!」
『ビビちゃん・・・』
「"70万人"の反乱軍をだぜ?止まるか?」
「・・・止まるか・・・ですって・・・?・・・ここから"ユバ"への旅路で全てわかるわ・・・B・Wという組織が・・・この国に一体何をしたのか・・・!!アラバスタの国民が一体どんな目にあっているのか・・・!!」


ギュッ、と服を掴んで苦しげにビビは言う。国民の痛み全てを一人で背負っているような声で。


「止めるわよ・・・・・・!!!こんな無意味な暴動・・・!!!・・・もう、この国をB・Wの好きにはさせないっ!!!」
「ビビ・・・」
「・・・・・・・・・」
「ビビちゃん!!砂漠越えのためのお弁当は任せろ!!」
「うわっ楽しみっ」
「・・・悪かった・・・」
『元気だして!』
「よし!わかったビビ!!行こう!!ウパ!!!」
「ユバね;」
「ユバ!!!」
「そう」


ルフィも抜けてる。まァこれがルフィだねー。


* * *


昼、僕達は島に上陸した。


「ついたぞ!!!『ユバ』!!!」
『なーんもないねー』
「リーダーを探すか!!どの辺にいるんだ!?」
「違うのルフィさん、ここはまだユバじゃないわ。ここから半日北西に砂漠を歩かなきゃ」
「半日も!!?」
『12時間も!?』
「地図を見て。今大きなサンドラ河を抜けてここに上陸したのよ。ここは『緑の町エルマル』」
「緑の町?緑なんかどこにもねェぞ!?」
「・・・ええ、今はね・・・!」


岸の方にいたウソップから声が上がったので見てみると、何か知らないがボロボロだった。その近くでクンフージュゴンがガッツポーズとってる。


「ハウッ!!!」
「敗けんな;」
『ブッ、ウソップ大丈夫?ブフフッ』
「あっちで勝ってるヤツいるけど;」
「勝ってもダメっ!!勝負に敗けたら弟子入りするのがクンフージュゴンの掟なの!!」


ルフィにクンフージュゴンが弟子入りしてる。可愛いなーv


「違う、構えはこうだ!!」
「弟子増えてるわよ!!?」


結局クンフージュゴンはチョッパーの説得と食料でなんとかなった。


「連れて行きゃいいだろ」
「あんな大所帯じゃどこの町へも入れなくなるじゃない!!ばかねっ」
『あーあー、可愛かったのになー・・・』
「ひずにも残念がらない!」
『ぶー』


ナミに向かって頬を膨らませていると、前から話が聞こえる。


「それで枯れたのか?この町は・・・」
「いいえ、まれに降る雨水を確実に貯えることで、町は何とか保っていたわ。つい最近までこの辺りは緑いっぱいの活気ある町だった」
『ぬぉぉおおガイコツ!!』
「もっと探せばあるんじゃねェか!?探そうぜひずに!!」
「何してんのアンタ達!!」
「『あだっ!!』」


ルフィと一緒にガイコツ見つけてただけなのに!つかナミの拳痛ェ!!


『ぶー、ナミの凶暴女ー』
「そうだそうだー暴力反対ー」
「うっさいわよアンタ達!ビビの話聞いてなさい!」
「『ぶー』」


素直にビビの話に耳を傾ける事にする。

アラバスタではここ最近雨が一切降らなかったそうだ。過去数千年あり得なかった大事件の中、首都『アルバーナ』だけ雨が降る。


「人々はそれを"王の奇跡"呼んだ。―――あの日事件が起きるまではね・・・」


2年前、ナノハナで大量の"ダンスパウダー"が運びまれた。


「"ダンスパウダー"が・・・!?」
「ええ」
「なんだ、知ってんのか?」
「・・・別名は"雨を呼ぶ粉"」


ナミが説明しだした。

昔どこかの雨の降らない国の研究者が造り出した代物で、人工的に雨を降らすことができるのだ。


「ははーん"不思議粉"か」
「雨を降らすんだろ要は」
『お前ら分かってんのか』


確かに便利なものではあるのだが、それには大きな落とし穴があった。


「風下にある隣国の"干ばつ"!!!」


隣国に自然に降るはずだった、まだ成長途中の雨雲を急成長させ降らせるそれは、結果戦争をまねきたくさんの命を奪う。

以来世界政府では"ダンスパウダー"製造・所持を世界的に禁止した。使い方一つで幸せも悪魔も呼んでしまう粉。


「その"ダンスパウダー"が大量に運び込まれた時、国では王の住む町以外では、全く雨が降らないという異常気候・・・・・・!!」


それは王を疑うのも無理の無い話しだ。

だが王はハメられたのだ。


「・・・今思えば、その時すでにクロコダイルの壮大な作戦は始まっていたの」

「当然、父にはさっぱり見に憶えのない事件だったけど・・・たたみかける様に知らぬ間に宮殿には大量の"ダンスパウダー"が運び込まれていた」

「全てはクロコダイルの仕組んだ罠・・・!!!彼の思惑通り・・・反乱は起きた!!!」

「町が枯れ、人が飢えて、その怒りを背負った反乱軍が、無実の"国"と戦い殺し合う・・・!!!」

「国の平和も・・・王家の信頼も・・・雨も・・・!!町も・・・そして人の命まで奪って、この国を狂わせた張本人がクロコダイルなの!!」

「・・・なぜ、あいつにそんなことをする権利があるの!?」

「・・・私は!!!あの男を許せないっ!!!」


その時ドゴオッ!!という音がして振り向けば、少し離れたところで無惨に崩れた建物らしき物から、ルフィ・サンジ・ウソップがこっちに歩いてくるのが見えた。


「・・・・・・―――ったく、ガキだなてめぇら・・・」
「・・・・・・・・・?」
「・・・・・・あんた達、一体何を・・・・・・!!」
『・・・絶対負けらんないね・・・』
「・・・さっさと先へ進もう。ウズウズしてきた」


ビビの思いを力にして、僕等はアルバーナへ向かう。


next


←前次→

戻る



あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!