15:【思い出した!】
特訓を始める朝早く、僕はうーん!と背伸びしながら甲板に出て朝日をたっぷり浴びる。
今日の午後あたりに次の島に着くらしい。なんか楽しいとこだといいなァ。テーマパークあったらいいのに。僕は絶叫系苦手すぎるけど翼で飛べるようになってから平気になった気がする!!なんか僕いける気がする!!!
「何ガッツポーズとってるんだひずに」
笑いながらやってきたエース。
『なんか僕、いけそうな気がして』
「え?イくの?」
『なんか変換ちげーぞ』
たく、キフリはいつでも頭ピンクなのか。僕は自分で自覚するところのムッツリだけど、自分の趣味が合う奴がいたらかなり話弾むのになァ・・・誰かいないかなー。
「ホラ、100周走れよぃ」
『んもう鬼畜!!』
「訳分かんねェこと言ってないでさっさと行けよぃ」
『たまには翼の特訓がしたいです隊長!』
「ハァ?翼の特訓?」
『翼でずーっとグルグルグルグルと』
「そんなじゃ足が鍛えられねェからダメだ」
『チッ・・・』
「隊長に舌打ちしたから罰として+30周だ」
『嫌であります。ホラ空見てください隊長!カモメは翼でとっ・・・』
KA・MO・ME・・・・・・!!!
『カモ、メ、カモメェェェエエェェ!!?』
「ひずにどうしたんだよ?」
『ええええエース!!そうだ!思い出した!!思い出しましたよ僕ァ!!』
そうだそうだそうだ!!大発見があったんじゃないか!!
マルコとエースとキフリを手招きして小さな輪になる。
僕は何故だか分からないが自然と声をひそめて言う。
『実はさ、僕大発見しちゃったんだ・・・、心の中から言葉を伝えられる能力あるでしょ?でもねでもね!その能力はそれだけじゃなかったんだ・・・!なんとなんと!僕が強く意識をすると伝えた相手からも心から返せる事ができるの!!』
ねねねね!!凄くない!?凄くない!? 今の僕の目すげーキラキラしてると思う!だってこんな大発見すごいでしょ!
「え?あ、そう、良かったんじゃねェの?」
「おう、凄いんじゃないか?」
「(ボソッ)別にたいしたことじゃないよぃ」
『アレッ、皆反応薄っ!!』
つかマルコ隊長酷ェェェェエエエェ!!もう!今度からバナナかパイナップルで呼んでやる!!!この鬼畜バナップル!!!うおっ!コレナイスネーミングセンスじゃね!
『鬼畜とバナナとパイナップルの総合、鬼畜バナップル、ぶふぉっ!』
「あ?ひずに・・・?」
『ぶふっ!やっべちょー笑える!バナップルってあのアイスの名前に似てるところもなんか笑える!!!ぶははははは!!!』
「・・・そうかよぃ、お前は本当に殺されたいようだな」
『えっ!ちょっと待ってください隊長!あれはちょっとやっぱりアレかなって思いましたァァァァアアァ!!!』
「ちょっとだけじゃねェかよぃ!!!しかも顔がにやけてるんだよお前ェは!!逃げるんじゃねェよぃ!!!」
「・・・アホか本当にアイツは」
「ぶっ、鬼畜バナップル・・・ぶふぉっ!」
「エース隊長そんなので笑わないでください・・・プッ」
エースとキフリがそんなこと言ってるなんて知らず、ていうか・・・
ギャアアァァァアアァァァア!!!マルコ隊長鬼!!顔が鬼!!!捕まったらマジで殺されるよ!!うわァァァアアアァァァアア!!!
* * *
結局捕まって3時間の説教をされた挙句島に着いたっていうのに僕は今日1日中船でお留守番なんだって!!!殺されないよりはマシだけど暇だわぃコンチクショウ!あの鬼畜バナッp
「2日に伸ばしてやろうかぃ」
『え、聞こえた?』
「口から漏れてたっての、今度あの最悪なあだ名で呼んでみろぃ、後悔するよぃ」
『ほんっとすいまっせんしたァ!!大人しく留守番しときます!!』
こう・・・にっこり笑ってたけどなんか自分の地獄的なものが見えた。うん、ありゃやばい。
さて、何をしようかな・・・・・・。
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