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21:【サプラァァァイズ(笑)】
エースが旅立ってからの3日間、ひずにといえば暇な時はナースの2人やマルコやキフリや親父と遊んでいた。

だがそれでも暇になる時はある。

広い船内だ。それに比例してクルー達も沢山いる。急に押しかけ訪問やピンポンダッシュもといノックダッシュやったりしてクルーを怒らせて遊んだりした。

それこそそんな事で5日はつぶしたのだが。

それでも暇になる時はある。

さて、クルー達全員のピンポンダッシュもといノックダッシュはしたしな・・・次は何しようか。

ひずにがそんなことをぼんやり考えているとマルコが寄ってきた。


「暇なようなら自己トレーニングでもしておけばいいじゃねェかぃ。腹筋とか」
『え、ヤダ』
「素直だなお前は」


ため息をつくマルコ。


『あ、じゃァマルコ隊長、一緒に空飛びましょう』
「は?」
『僕がマルコ隊長引っ張りますんで!やりましょー!』
「俺はお前なんかに引っ張られなくても飛べる」
『え!?マジっスか!ってマルコ隊長もしかして悪魔の実の能力者?』
「ああ、お前にはまだ言ってなかったな」
『わーすごい!飛べるって事はトリトリの実とかですか!?見して下さいよ!!』


まるで何でも知りたい子供の目でマルコを見つめるひずに。マルコはその目を見てちょっと気分を良くするのだった。


「いいよぃ、特とみr「ひずにー!料理長がおやつ作ってくれたぞー!!」『えええマジで!?おやつなに!?』「いちごタルトだぞ!」『うわァァァい!!!マルコ隊長また後でー!!』・・・・・・」


クルーの知らせにひずには食堂へと猛ダッシュである。いちごタルトの方が大事。


「・・・何か俺の扱い酷くないかよぃ・・・?」


気のせいにしておこうよマルコ隊長。

食堂ではひずにが幸せ満開だとでも言いたげにいちごタルトをパクついているのだった。


『うんめェェェ!!マジうんめェェェ!!』
「そんなに喜んでもらえるならこっちも作ったかいがあったってもんだ」


料理長が胸を張って得意げだ。


『いやァ料理長やコック達が作る料理はいつも美味しいよ!そしてあなた達の存在は大きいよ・・・!』
「そんなに褒めたって何にも出ねェぞ!もう1つタルト食うか?」
『もらいまーっす!!』


甘いな料理長。

そこでひずにはあることを思いつく。


『そうだ!料理長!僕を弟子にしてください!!』
「あ?いきなりどうしたんだ?」
『料理長の腕を見込んで!お願いします!』
「理由ぐらいあるだろ?教えろよ」
『やっぱり一応、一応女ですから、料理の1つや2つは覚えなきゃなー、と思いまして』
「自分で一応と、しかも2回も言うか?」
『気にしないで下さい。それでダメですか?』
「別に構わねェよ」
『ありがとうございます!!』


そしてひずにの料理の特訓が始まるのだった。

確かに料理の1つや2つは覚えようと思ったのは間違いじゃない。もう1つ理由があるのだ。

それはエースが帰ってきたら沢山料理を作って出迎えようと思ったのだ。きっとお腹空いてるだろうから。

よし、と意気込むひずにだった。


* * *


意思疎通能力でエースと連絡をとっていたひずには明日ごろにはエースが帰ってくるのが分かった。

もちろんエースには料理を習っている事は教えていない。サプライズにする為だ。

いそいそと準備を始めた。


―――翌日の昼前


見張りが遠くにエースの姿を確認した。すぐさまひずにに報告。

もちろん事前にサプライズであることは皆に話してある。そして食堂に誘導するようにも伝えといたからバッチリである。

エースが船に上がってきた。そしてキョロキョロと探し出す。もちろんひずにをだ。

エースの手には任務に行った時には無かったものがあった。何か棒のように細くて長いものを布に包んで持っていた。


「あ、エース隊長おかえりなさい!」
「ああ、ただいま。ひずにを知らねェか?」
「ひずになら食堂に居ますよ」
「お、ありがとな。?何で笑ってるんだ?」
「いえいえ、早く行かれたらどうですか?」
「?おう」


エースは足早に食道へと向かう。

食道の扉の前に着き、扉を開けた途端、


『エーッッッスーゥゥゥウ!!!おっかりなさァァァァいっっっ!!!』
「んォっ!!!??」


どっすん、と突っ込んできたひずにを受け止めたエース。それと同時に何か美味しそうな香りが・・・。

見ると長テーブルの上に様々な料理が並んでいた。


「おおっ、美味しそうだな!」
『サプラァァァイズ(笑)これぜーんぶ僕が作ったんだからね!!!』
「えっ・・・?これ全部ひずにが・・・!?」
「俺達コックも手伝ったけどな」
「ひずにお前、もしかして俺の為に・・・?」
『そうそう!僕が頑張って作ったんだから!』
「俺達も手伝ったけどな」
「!!!ひずに!お前はパパの誇りだァァァ!!(泣)」
『ちょっ!鼻水汚いっ!離れろっ!』
「ひずにィィィ!!!」
『ギャァァァ!へるぷみぃぃぃぃ!!!』


わいわいわいわい、まるでお祭り状態へと化した食堂。

普通一人の隊長の任務からの帰還でこのような事は滅多にないだろう。

でもひずにがやると言ったから、ひずにがしたいと思ったから、そんなひずにに皆が協力をしたのだ。

自然と皆が協力をしてくれ支えてくれる、それが白ひげ海賊団という家族であり、仲間であるのだ。

もちろんひずに自身の持つ魅力もある。


「あ、そうだ!俺からもひずににサプラァァァイズ(笑)が・・・」
『(真似したよ)』
「ホラお土産!約束したろ?」
『え?何々何々??』


エースはひずにに持っていた布に包んだ棒のように細くて長いものを渡した。


『んんんんん?何々?・・・!!!!』


ひずにがわくわくと布を解くとそこには、


『わわわわわ!!!かかかか刀だ!!!!』


なんと刀だ。どこか日本刀にも似ている。


「そろそろお前にもお前自身の刀が必要だと思ってな」
『うわっ!うわわわ!すっげすっげ!!』
「この刀の名前は【翠万色】(ろくまし)って言ってな、鞘を抜いてみろよ」
『・・・・・・!!すっげェ!綺麗だね!』


鞘から抜いた刀身は薄く翠に光る、なんとも綺麗な刀だった。


「お前に一番ピッタリだと思ってよ。だからコレにした」
『おっおっおっおっおっ・・・!やべっ、テンション上がってきた!エースエース!ありがとう!!』
「俺はお前の笑顔が見れりゃそれでいいよ!誰かカメラ持ってこい!!」
『とにかくエースありがとォォォォォ!!!』


がばちょ、とエースにあまりの嬉しさに抱きついたひずに。エースの顔は緩みに緩みきっている。


『じゃァお礼っ!!』
「ん?・・・!?」


そこまでガヤガヤしていたのがシーン・・・と静かになった。


「な・・・」


キフリが言葉を発したのを切り目にどわわわわっ!と急に騒がしくなる。


「ひひひひひひずにが・・・!」
「ままままままさかの・・・!」

「「「「エース隊長にキスゥゥゥウゥゥ!!!??(ほっぺに)」」」」


と、お分かりの様に、ひずに、エースにキスしました(ほっぺに)!!

周りが物凄い騒ぎようだがひずにはテンションが上がりすぎて全然恥ずかしい様ではなかった。むしろニコニコしている。

エースといえば固まっていた。が、段々と顔が真っ赤になり、





火柱が上がった。





と、同時に叫ぶエース。


「不埒だァァァァァアアアアァァ!!!!」


・・・その後はエースの火柱の勢いが留まることを知らず、クルーは消火活動に励み、親父は休んでいたのだがエースを止める(制裁を下す)為に動くのだった。

ちなみに、ひずにが作った料理はほぼ黒こげになってしまった訳だが、エースが責任を持って食べた。


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