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Vinca major 【西浦】

試合が、始まった。

「それじゃ、行ってくるね。」
「うん!がんばって」

ちよちゃんはアナウンスをしに行ったから、
私はカントクの近くに座る。


一回は、試合としては動きがなかった。
でも、阿部くんのリードは、いままで見た中でも別格な気がする。


「阿部くん、すごい…」

思わずそんな風に声が出た。


『四番、サード、田島くん』


ちよちゃんの声が悠一郎を呼んで。
さっきいった、今日も打つ、が頭の中を反響する。



「フォーク!」

叶君の決め球のフォーク
それをしっかり悠一郎がとらえた。


「「せーの、ナイバッチー」」


みんなの声が贈られる。




…ほんとに、初打席から打った!


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