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 なにやら、急に顔が赤くなっているロシナンテを見て。まさか傷のせいで熱が上がったのか?と慌てたリオは。急いでサク爺に来てもらおうと、電話しようとしたのだが。さらに慌てた様子のロシナンテに止められる。 熱は無いんだと必死に訴えるので。体温計で平熱だと確認し、事なきを得た。

『どちらにしても、お医者様は往診には来るのでそのつもりで。包帯を変えたら着替えもしましょう』

 とは言うものの、3mの男性用の服なんて持っているはずもなく。昨夜、急いでロシナンテの服を洗って乾燥機にかけておいたのだが。穴だらけのボロボロで、正直もはや着れない状態だった。 ということは、今はつまり、その、なんだ。ロシナンテは裸という訳で。全身包帯ぐるぐる巻きなので、素肌をさらしているということはない。だけどこのままという訳にもいかず。 朝食が終わって、サク爺に来てもらった後に。超特急で服を縫いあげようと決めた。 幸いにも布はたくさんあったし、ミシンもある。それに簡単な服ぐらいなら、縫える技量は持っていたので。やることが山積みの今の状況に。リオはひそかに燃えていた。

『サク爺!おはよう、わざわざごめんなさい』
「おはよう。……あのケガですぐに意識が戻るとは、どういう体の作りをしとるんだまったく。んで、大丈夫だったか?」
『サク爺が心配するようなことは、何もなかったよ。すごくいい人』
「いいか?男はみんな狼なんじゃ!!油断させておいて、後から食うなんてことはざらにある。充分に気をつけろ!!」
『食べるところなんて無いに等しいよ……』

 自分の胸を押さえ、リオが悲しそうに眉を下げていると。その態度をサク爺が鼻で笑い、次に爆弾発言を落とした。

「そんだけ服を着とったら分かるまい。お前さんは意外に、出とるところは出とるからの〜」
『いつ見たの!?』
「誰がお前さんの健康診断しとると思っとるんじゃ」
『そうだった!』

 盲点だった。そう言ってうなだれるリオを放っておいて。サク爺は、ロシナンテがいるリビングに向かう。勝手知ったるリオの家、だ。


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あきゅろす。
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