4
てか彼女はどうした。
そんなんじゃフラれるだろ。
それに、家までの距離がほとんど変わらないのに何でいつまでも徒歩で登校してるんだ。
「ついでじゃんか」
「ついでって…ケガもう治っただろ」
「治ったけど、じゅんはココで下校時間まで勉強してるだろ？」
「………」
ああ言えばこうい言う。僕は閉口した。
でも、僕の仏頂面を目にしても武流は引こうとしない。
まるで僕が頷くのを待ってるかのようだった。
武流がここまで食い下がる理由もよくわからない。
僕も…はっきりさせないままでいるのは性に合わないし、良い機会かもしれない。
真実を明らかにしてしまう事に恐怖は感じるけど、覚悟を決めた今なら何とか受け入れらるはずだ。
…僕は、心を決めた。
「…わかったよ」
「やった！ じゃまたいつものとこで」
武流は本当に無邪気だ。
それが僕には残酷以外の何物でもない。
無自覚なら尚の事、武流の今後のためにもわからせておくべきだ。
幼なじみとしてはっきり言えるし、武流にも後腐れないと思う。
その時に武流の本心も聞けるだろう。
［*前へ］［次へ#］
[小説ﾅﾋﾞ|小説大賞]
無料HPエムペ！
