Eggキット * 魔女と別れた村人達は、王宮中を片っ端から調べていった。 広く、入り組んでいて、捜すのは容易な事ではなかったが、村人達は諦めなかった。 必ずどこかに居るはずだ。 そう信じて、探し続けた。 途中で幾人かの衛兵に出会った。 しかし、大切な人を探す彼等に迷いはなかった。 力仕事で鍛えられた筋力に適うはずもなく、立ちはだかる衛兵は、剣を構える隙もなく、ことごとく打ち破られた。 その事に罪悪感を感じた者も居たが、覚悟は変わらなかった。 王の住まう宮殿に襲い入る彼等に気付き、捕らえようとする兵達が、集まっていく音がする。 村人達は焦った。 ここで捕まっては、何もできない。 しかしその時、背後で爆音が轟いた。 兵達は、一瞬の驚きの後、そちらに向かった。 村人達は何が何だかわからなかったが、一人が呟いた。 魔女だ。きっとあの二人だ。 おそらく、彼女らの言っていた仕事とやらだろう。 何にせよ、助かった。 警備が薄くなった場所を縫うように進んでいった。 探すうちに、おかしな扉を見つけた。 見張りが立てられ、鍵をつけられた部屋。 まるで捕虜を閉じ込めているような。 此処に違いない。 彼等は見張りを倒し、鍵を壊して中に入った。 [*前へ][次へ#] [戻る] |