Eggキット
全ての終わりに向けて
ここは…?
あの魔女が創った歪みから、人々は乗り込んだ。
着いた場所は、村人には見覚えのない豪華な建物の一角。
魔女がその言葉に応えた。
王宮よ。
さらりと告げられたその言葉に、一同は硬直した。
何だって!?
わかったのなら、私達はあの魔術を行った者達の所へ行くわ。
どうするの?戻るの?
魔女が揶揄するように言う。
行方不明の犯人は、皆わかっていた。
怖じ気づいたなら帰れと、魔女は言うのだ。
しかし
帰らない。戻らない。
私達は、彼らを取り戻したい。
魔女は笑った。
なら、さっさと行きなさい。
そう言って、魔女と使い魔は身を翻した。
村人達は呟いた。
……ありがとう。
駆けていく村人達を横目で見送り、双子はある建物に向き直った。
それは、造りこそ普通ではあったが、何重にも厳重に魔術防御が布かれ、わかる者には驚くほどの強力で堅固な要塞と化していた。
お姉ちゃん。優しいね。
あの人達が危険に合わないように、遠ざけたんでしょ。
違うわよ。これは、私の仕事。
彼等は関係ないわ。
ツンと少女らしく照れてみせ、魔女は建物を見据えた。
違うよ、お姉ちゃん。
使い魔が魔女の手を取った。
私達の仕事だよ。
さぁ、教えてあげよ?お姉ちゃん。
えぇ、身のほど知らずな愚か者どもに、古より彼の地を守りし我等のちからを。
そう言って、二人は同時に笑った。
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