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2-8
「ピザばっか頼んでて大丈夫なのかな」

お昼ご飯として注文したピザを食べながら、あたしは浮かんだ疑問をポツリと呟いた。
モグモグしていたピザをごくりと飲み込み、C.C.は言う。

「なんだ?
ピザだとマズいのか?」
「マズいよ。
だってピザって高いんだから。
あたし親に『ピザはお金持ちの食べ物だ』なんて言われて育ったんだよ?
多分、今日の夕ご飯もピザだろうね…。
ルルーシュ、ナナリーの分だけじゃなくてあたし達の分も作ったらいいのに」

そう言ってから、無理だなぁ…なんて考える。
“あの”ルルーシュがあたし達のためにご飯を作るとは思えない。
でも、一回聞いたほうがいいだろう。
毎日毎日ピザだとランペルージ家の家計がヤバいと思うし。
扉が開き、入ってきたのはルルーシュだった。

「あれ?
今、何時?」

時計を確認する。
ルルーシュが帰ってくるにはまだ早い時間だ。
あたしの疑問にルルーシュは冷めた眼差しで答える。
「どこかの誰かがまた抜け出していないか見に来ただけだ。
また戻る」

その『どこかの誰か』は確実にあたしだろう。
どんなことでも、いちいち敵意を向けてくるんだから。

「…………やっぱ優しいほうがいいかも…」
「?
なんの話だ?」
「べっつにィ。
―――あ、そうだ。
今日の夕ご飯、ピザじゃなくてルルーシュが何か作ってよ」

途端、ルルーシュは眉間にシワを寄せてあからさまに嫌そうな顔をした。
予想通りの反応である。

「俺はお前たちの料理を作る気はない。
ピザで我慢しろ」
「でもピザって高いじゃん。
自炊のほうが安いよ?
材料を工夫すれば安くて美味しいの作れるんだから」
「ほォ…。
お前の口から自炊の言葉が出るとは。
まるで料理ができる口ぶりだな」

馬鹿にするような冷笑と上から目線の口調。
ひそかにイラッときた。

「あたし料理できないように見える?
ごちそうして差し上げましょうか?」
「遠慮させてもらう。
味覚がおかしくなるのは避けたいからな」

イラッ そんな音が自分の中で確かに聞こえた。

「ふぅーん。
ルルーシュって食べもしないのに決めつけるんだね」
「賢明だと言え。
分かりきっていることに手を出す馬鹿がどこにいる。
………いや、もしかしたら一人ぐらいは物好きがいるかもしれないな」

思いきり鼻で笑われてカチンときた。

「るっさい!
うまいって絶対言わせてやる!!
目にもの見せてやるから覚悟しろッ!!」





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あきゅろす。
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