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短編集
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一方。

皇帝に、フィラムが贈り物をしたという話は、すぐにアリファエルの耳に届いた。


「何…?」

途端、アリファエルが纏う空気が一層、重いものになるのをアーシェマは感じ取り、更に気が滅入ってきた。


もう、いい加減にしてくれと、思うアーシェマだった。






アリファエルは、面白くないと思った。


最近、朝早く部屋から出て行ったのは、父に贈り物をする為だったのか?という不満が燻る。


確かに、自分は父を尊敬している。


だが、父とフィラム。


その両者の親密さに、時に苛立ちを覚えるのは、しょうがない事だった。


父が、フィラムを愛おしく感じるのは、自分と同じ感情からでないのは、重々に承知している。


だが、それとこれはまた、意味が違うと、アリファエルは思った。











そして、アリファエルは苛々した気持ちのまま、自室へと帰ってきた。



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