BL小説「虜」 急転 フィラムが毎夜、会いに行く相手。 それが、ガーメイルの皇太子だと、ハービィが、気付いた頃。 時を同じくして、リーフの城門に、一人の男がやって来た。 「やっぱ、強行軍はキツイなぁ…まぁ、命令だから仕方ないけどさ…」 馬から降りたその男は一歩、間違えれば不敬とも、取れる発言をした後。 そのだらけた表情を一変させ、城門の上に立つリーフ兵士に。 「私は、ガーメイル帝国第ニ師団副団長セネガル・リアーツだ。こちらに、滞在中のバイス様に、陛下からの火急の用件を伝えに来た。取り次ぎを頼む」 と、キリッとした表情で、言った。 [*前へ][次へ#] [戻る] |