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BL小説「虜」
無自覚
フィラムが、悩んでいた時。


アリファエルもまた、悩んでいた。




(私は一体、どうすれば良かったのだろう……あの時、私は完全に拒絶された……伸ばした手は弾かれた)



でも、それでも……。


諦められないと、アリファエルは思った。


あの時から次第に、自分の中で、制御不能の強烈な想いが込み上げるのを感じていた。


あの眼が見る相手。
それは、自分だけで良い。

あの手が取るのは、自分の手だけで良い。



そんな事を思う自分が確かに居た。





だが、アリファエルにはまだ、分からない事があった。

それは……。


この気持ちの正体。


身を焦がす様な感情が、自分の中に芽生えたのは、分かる。


けれど、まだまだ子供のアリファエルは自分の感情に振り回されていた。



七歳の子供。


通常なら、そんな感情を抱く事自体が珍しい。


淡い初恋。

今の状態は、そんな言葉では言い表せない。



アリファエルが置かれた環境は特殊な環境。

故に同年代の誰よりも、早熟である。




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あきゅろす。
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