BL小説「虜」
夢
(あれ…?ここ何処だろ?)
何故か、フィラムは気付くと、何もない真っ白な空間に、一人で立っていた。
(コレ、夢なのかな……?あの後、寝ちゃったのかな…)
必死に、自分の記憶を辿るフィラム。
だが、突然の事に訳が分からないフィラムは呆然とした。
(えっ…!)
その一瞬、淡い光りが辺りを包む。
それに驚いて、フィラムは眼を閉じた。
(あれ…?)
だが、誰かが自分の頭を撫でているのを感じて、恐る恐る眼を開けた。
そこに居たのは、金の髪に、青い瞳の人。
その顔には、柔らかな微笑みが浮かんでいた。
(お母さん…?)
何故か、フィラムはそう思った。
しかし、その人は何も言わず、フィラムの頭をまた撫でた。
(お母さん…)
だが、フィラムには分かった。
この人は、自分のお母さんだと。
顔も知らず、死に別れた母。
でも、この人で間違いないと感じた。
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