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BL小説「虜」
2
「私が母に愛されない最大の理由は、父が原因ではない。問題なのは、私を彩る色なんだ」
「色…?」
「そう…母の色は深紅で、父は銀なんだ」
「どういう事?」

意味が分からないフィラムへアリファエルは、自分の髪を一本だけ抜くと、それを手渡した。

「あっ…!」
「母は自分の満たされない想いを消化させる道具として、父に似た子供が欲しかったんだ。だが、これが母の気に障った…母が産んだ子供は…私は…父と同じ色を持たず、母とも違う色を持って産まれてきた」


手渡された一本の髪。


それは、深紅というよりも、もっと黒みの強い色をしていた。


「もし、私が母と同じ色なら、また話は違っていたんだろうな」
「……」
「あの人は…母は…最近まで、私を視界にすら入れてくれなかった」
「……ねぇ、アリーのお父さんはアリーを愛してる…?」


辛そうに話すアリファエルに、フィラムは思わず、そう聞いてしまった。

すると、アリファエルは答えた。




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