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BL小説「虜」

国内の敵なら如何様にも、片付けられる。


だが、相手が国外の王族では、手の出しようがない。

故に、そのままならば、アデリアーデは皇太子妃にはなれず、悔し涙を流していた所だった。



だが、この時、天は彼女に味方した。





なんと、正式にリーフへ書状を送る前に、クレミア王子が妊娠したとの知らせが来たのだ。


その後、お腹の子供の父親が、自国の大貴族の後継ぎと判明し、クレミア王子は早々に、その相手と式を挙げる事が決まったという。


この知らせに、テンバール公爵は内心で、狂喜乱舞した。



クレミアという最大の敵が居なくなった以上、娘のアデリアーデが皇太子妃となる事は、もう決まったようなもの。


一方、これでテンバールの勢力拡大を防ぐのが難しくなった他の三家の当主達は、悔しくて仕方が無かった。



皇族の妃の実家は、何かと優遇されるのが、世の常。


皇太子妃が、決まる以上は後数年、三家から皇太子に側室を出す事も、難しくなる。

勢力格差が起きるのでは?と、三家の当主達は、それぞれ懸念した。




だが、それは杞憂だった。





何故なら、皇太子が皇帝となった後も、アデリアーデの実家テンバールが優遇される事はあまりなく、利権やら国の案件では、逆にテンバールよりも三家の内、どこかの意見や主張が必ず、優遇された。


これには、皇帝の考えが深く関わっていた。




この時、まだアリファエルは、生まれていなかったが、いずれ生まれる皇太子の母親の実家が、強くとも弱くとも、後々に問題があろうと、皇帝は考えた。


その為、権力がどこか一点に集中しない様にした。


この後も、皇帝は貴族達をその手の内で、本人達には悟らせずに、踊らせた。








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