BL小説「虜」
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しかし、フィラムには今も、父が生きているのか、既に死んでいるのか、それを確かめる術がない。
生きているなら、この広い世界のどこかに、父はいるのだろう。
もし、父が死んでいたなら、父は母に会えただろうか?。
フィラムには、それらを空想する事しか、出来ない。
今も、母の墓には、あの花があるのだろうか?。
もう二年も、村には帰っていない。
確かめに、行ってみようか?。
そう思うが、なかなか思うようにはいかないだろう。
単なる下働きに、二日以上の休みなんて許される筈はない。
と、ここでフィラムは。
「…ハービィなら、何とかしてくれるかな…」
そう考えた。
下働きの年長者達と若い下働き達の調整役の様な事をハービィはしている。
ハービィを介せば、休みも、どうにかるだろう。
そう考えたフィラムは、ハービィに相談する事にした。
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