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BL小説「虜」
2
ガーメイルにおいて、皇太后とは影から宮中を取り仕切る存在。

皇帝が知と武により国を纏めるのに対して、皇太后は駆け引きと恐怖、少しの旨味を餌にして宮中を支配する。


通常、その役目は他国では当代の皇妃や王妃の役目。

だが、ガーメイルでは皇妃という存在は次代を産む器という側面が強くある。






「太皇太后様や皇太后様は、母上を厭うておられるからな。今の母上の窮地を嘲りはしても、助けはしまい」


アリファエルの脳裏に、祖母と曾祖母の顔が浮かぶ。


皇妃の身でありながら、政治に対して、でしゃばり過ぎる感のある母に、曾祖母は呆れ果て、祖母は自らが皇妃だった時には許されなかった事を母がするのが気に食わなかった。


「殿下」
「なんだ…」
「殿下は、もしも、母君を救えるとしたら救いたいですか?」


そう聞いてきたセネガルをアリファエルは睨みつけ言う。


「…戯れ事を口にするな…太皇太后様と皇太后様に見捨てられた母上を救う手立てなどある訳あるまい……それに…」
「それに…何です」
「もしも…仮に助けられたとしても…母上は…私に助けて欲しくはないだろう。要らぬ子から哀れまれたくはないだろうし、助かっても決して喜ばないだろう」


アリファエルは、自嘲気味に笑った。





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あきゅろす。
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