小説「召喚と召還の結末」
真実
シィ。
それは、王のかつての愛称。
王の瞳に、困惑が浮かぶ。
その発音を。
その愛称を。
知る人物は、二人。
だが、二人の内、一人は死に、一人は時空の向こうの筈。
なのに、何故?という疑問が生まれる。
目に見えて、動揺し始めた王に、ブラックは疑問に答えるようにして、静かに語る。
「何だ、まだ分からないか?まぁ、当然か…なら教えてやる。今の俺の名はブラック。だが、かつては‘リュウ’と呼ばれていた」
「な、なんだって…!!」
そんな事、あり得ない!!。
そう叫びたい気持ちが王の中に生まれた。
だが、ブラックは、そんな気持ちを感じ取ったのか。
「あの日、あの時…場所は違ったが俺も、居たんだ。お前達と違って、誰に必要とされた訳でもない。俺は、巻き込まれたのさ、お前とユウの召喚と召還になっ!!」
と、声を荒げて言った。
「大がかりな術式が二つも重なって、俺はどちらからも弾かれて、この世界に来た」
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