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小説「召喚と召還の結末」
復讐、その果てに
謁見の間を出た後、ブラックはロックウェルをヒュプノスの面々が待つ場所へ連れてきた。




ロックウェルは恐怖に身を震わせる。
首筋に感じる剣の冷たい感触。

複数の強い殺意の視線。


「団長。そいつがロックウェル・アッテンボローですか?」

多数の視線の中でも、強い殺意をロックウェルへ向けていたリーアは、ブラックへ声を掛けた。

「あぁ、こいつがロックウェルだ」

そうブラックが答えると、リーアはロックウェルに近づき力を込めて、殴った。

「ヴゥっ!…ガっァぁぁ…」
続けざまに、地面に倒れ込んだロックウェルを力を込めて蹴る。

リーアは、怒りの表情を浮かべながら。
「お前のせいで、母は……あの人は死んだっ!!22年前のあの日、ラクラスという村へ侵攻した多数の魔物を倒す為に、お前が用いた無茶な作戦のせいでなっ!!」

と、言って、また蹴りを入れた。

だが、怒りが消える事はなく、身を震わせるリーア。

「ゥゥヴゥっ…ア゛アァ…ハァハァっ…」

息をするのも、苦しそうなロックウェルに、リーアとは違う人物が。

「ロックウェル。私も、貴方に対して、深い恨みがあるんです」

と、そう冷たい声音で言った。



その声の主は、カリス。


カリスは、身体を九の字にして丸まるロックウェルの髪を強く掴んで、顔を持ち上げると。


「私は、22年前に、貴方が滅ぼしたラクラス村のただ一人の生き残りです」

そう冷たい声音で言った。


「ァアア゛…ま゛っ…」

ロックウェルは、言葉もなく、驚愕の表情を浮かべる。

「私は貴方へ復讐する為に、剣の腕を磨きました。戦場で貴方を惨たらしく殺す為にです。しかし、貴方は15年前、何を思ったか突如、軍から身を引き、王子達の武術指南役という国の中枢に近い場に身を置いた。それを聞いた時は、更に権力を恨みましたよ」

カリスの瞳には暗い炎が浮かんでいた。


そこには、普段の冷静沈着な姿はなく、深い恨みを抱えた一人の男が居た。


「リーアさん。この人をどうしたいですか?」


暗く淀んだカリスの声に、リーアも、暗く淀んだ表情で。

「そいつには、生き地獄を味わってもらう。死にたくとも、簡単には死ねぬようにしてな」

と、答えた。





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