小説「召喚と召還の結末」 2 バルは遠巻きに、自分達へ視線を向けてくる兵士達に、ちらりと視線を投げた。 すると、すぐさま反らされる視線。 その意気地の無さに、バルは、内心で毒づく。 (やってらんねぇなぁ。まったく、こんな国に一体、何の価値があるって?まぁ、対外的には‘魔王’を倒した英雄王が統べる国なんだろうがなぁ。やっぱ、くだらねぇよ) 「リーアネージュよぉ。やっぱ、これなら、ガキ共だけで充分だろ?」 と、苛立ちを含んだ声音で、リーアへ言った。 しかし、リーアは冷静に。 「バルトロメイア。貴様の言いたい事は分かるがな、それは、無理だ」 と、言った。 そして、リーアがバルトロメイアっと、バルの事を呼んだ瞬間、バルは嫌そうに顔をしかめた。 「ッチ…リーアよぉ。お前、今のわざとだろ?」 だが、リーアはしれっとした顔で。 「何がだ?」 と、言った。 [*前へ][次へ#] [戻る] |