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聖王の御手のうち(本編+SS/完結)
7
 肩口からずり落ちそうなタオルを引き戻してかけてくれた。

 彼は自分の後ろに僕を押しやってから、もう一度明石に体ごと向ける。

「消灯時間は済みました。聖王と言えども、消灯過ぎて誰かを部屋に上げているのはルール違反でしょ? 俺じゃなきゃ、大目に見ませんよ。
 花井くんは、王軍長たる俺がケセドまで送りますから、安心して下さい」

「……。融通の利かないヤツを王軍長に任じてしまったな」

「それが良かったんでしょう、貴方は。とにかく今夜は俺を立ててやって下さい」

 頷くでもない明石に対して、話は終わったとばかりに彼はきびすを返して、僕の背中を押した。

 小さく部屋を振り返ると、戸口に立ったままの明石はまだ僕のほうを見ていた。

 月光のさす薄暗い廊下で、多分目が合っていた。

 明石は笑っていた。
 子供の頃と同じに。











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あきゅろす。
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