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始まる終わり

食堂に入ると、そこは三ツ星ホテルのレストランのようだった。

真っ白なテーブルクロスは新品のようで清潔感があり、天井にはシャンデリア。

そして朝に似合う優雅なクラッシック


....どれだけ金がかかっているんだ



「ちーっす、銀サン」

すると、俺と歳も変わらないくらいの青年が左手を振りながらこちらへ向かってきた。


「おはー紺くん♪」


銀と顔見知りのようで、銀も左手をあげて二人はパチン、と手と手を合わせた


すると、俺の存在に気づいたようで


「銀さん、ミーとこの人ははじめまして系?」


「うん!今日から僕たちと一緒に世界平和ごっこする子だよぉ」


「なるほど。おっけー的な」


「....あ、あぁ。紅蓮だ。よろしく」


「よろぴー。ミーのことは紺(こん)くんって呼べ的な」


ついていけないんだが。




「しーくん!おはよ!」

どん!

勢いよく背中に飛びついたというのに、そいつはなんとか持ちこたえて、ゆっくりこちらを向いた。

「....銀。いきなり激突するなといつも言ってるだろう....。」

「ごめんね!」

全く反省していない素振りで、銀はえへへ、と笑って誤魔化した。


「....そちらは?」

俺と目が合った。


....すごく、美人


男だということはすぐに分かった。が、それほどまでにこの人は美しい顔立ちをしていた


白銀の髪は、紫がかっていてなんとも不思議な美しい色だった。


「今日から零番隊に配属されることになった。紅蓮だ」


「君が....。そうか、よろしくたのむ。俺は紫苑(シオン)だ」


「こちらこそ。」と短く返事をすると、すこし笑ってくれたのが分かった。


やっと、はじめてまともな人に会えた気がする



「とりあえずー、戦闘用軍人はここには二人しかいないみたい。ぁ、さっきの白りんも仲間だよ♪」

「さっきのやつら以外は戦闘用軍人じゃないのか?」

二人以外にも、たくさん人がいるのに....

ここにいる人だけでも、ざっと70人はいると思う。


「うん。レンレンと一緒に戦うのは、僕含めて7人くらいしかいないんだよ。それ以外は、サポートとか、武器の改良研究者とか」


「ここ以外にも、北欧支部とか、亜細亜支部とか、零番隊の本拠地はいっぱいあるから、別の場所にいる戦闘用軍人もいるけどね。レンレンも任務先で、会うことになるかもね。」


確かに、ここが"本部"なら"支部"も、あるだろうけど


それでも、軍隊にしては少なくないか?


「その人数で、国家の敵に勝つ物量はあるのか?」

すると、銀はさっきまでの人なつこい顔を急に冷めたように目に光がなくなった。笑うのをやめた。

「....数なんかいくらあっても僕らは負けないもん。質で勝負してるんだから。ここは、そういうトコ。普通の軍隊じゃないんだよ」


そう言い終わる前に冷めた顔を笑顔にと一瞬で戻した。


....今の、殺気...


銀は、本物だ





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